◎5735便は昆明市から広州市に向かっていた。
2022年3月21日/中国、広西チワン自治区の墜落現場(新華社通信/AP通信)

3月22日、中国南部で21日に墜落した中国東方航空のボーイング737-800型の救助活動は難航しているものと見られる。

中国民用航空局によると、墜落した5735便には乗員9人と乗客123人が搭乗していた。外国人は搭乗していなかった。

5735便は昆明市から広州市に向かう途中、広西チワン族自治区の山間部に墜落、炎上した。新華社通信などによると、自治区と周辺自治体の救助隊約650人が出動し、救助活動にあたっているという。

墜落直後に発生した火災はすでに鎮火している。国営のCCTVが公開した映像には山間部から煙が立ち上る様子が映っていた。

習近平 国家主席は21日、救助活動に全力を尽くし、墜落の原因と他の民間旅客機の安全を確保するよう命じた。

墜落の原因は明らかにされていない。新華社によると、同機は2015年に就航した。

5735便との通信が途絶えてから12時間以上が経過したが、生存者の情報はまだない。

飛行追跡サイトFlight Radar24.comのデータによると、5735便は現地時間21日午後2時20分頃に急降下した。直前の高度は約3万フィート、速度は455ノット(842km/h)で、降下し始めてから96秒後にデータ送信を停止した。

CCTVは、「乗客の親族が昆明空港近くの中国東方航空事務所に到着した」と報じた。AP通信によると、国営メディア以外のジャーナリストは事務所に近づけず、警備員に追い払われたという。

またCCTVは、「中国東方航空が保有するボーイング737-800は飛行を禁じられた」と報じている。航空専門家によると、事故を起こした機種に問題があるという確かな証拠が確認される前に飛行禁止命令が出るのは異例だという。

中国にリースされているボーイング737-800は約1,200機。AP通信の取材に応じた航空アナリスト、「仮に他の航空会社に同様の命令が出れば、国内旅行への影響は避けられない」と述べた。

ボーイング737-800(第三世代)は1998年に運用を開始し、これまでに5,100機以上が世界の航空会社にリースされている。

ボーイング社の担当者は米ABCニュースのインタビューの中で、「当社は米国家運輸安全委員会と連絡を取っており、当社の技術専門家は中国民用航空局が主導する調査を支援する準備ができている」と述べた。

米国家運輸安全委員会は21日のツイートで、「ボーイング社を支援する上級航空安全調査官を任命し、要請があれば調査に協力する」と述べた。

中国東方航空は中国でトップ3に入る航空会社で、国内外で数多くの路線を運航している。

5735便は2015年6月に納入され、6年以上にわたって飛行していた。中国東方航空はボーイングを600機以上保有し、そのうち109機が737-800である。

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