◎バシャ党首は昨年9月に前党首のベリシャ元大統領に三下り半を突き付け、党内抗争が勃発した。
アルバニアの野党党首は21日、内紛を抑えられなかった責任を取り辞任すると発表した。
民主党のバシャ党首は声明の中で、「民主党の復活と結束を支援するために、委員長を辞任することを決めた」と述べた。
バシャ党首は昨年9月に前党首のベリシャ元大統領に三下り半を突き付け、党内抗争が勃発した。
ベリシャ元大統領はバシャ党首の決定を却下したうえで、「バシャは左翼社会党のラマ首相の人質だ」と厳しく非難し、新たな派閥を発足させた。
両者のにらみ合いは数カ月続き、今年1月には党本部襲撃事件が発生、警察が出動する事態になった。
バシャ党首は当時、「ベリシャたちはテロリストの道具を使って党本部事務所を襲撃し、占領しようとした」と厳しく非難した。
テロリストと呼ばれたベリシャ元大統領は暴動を「革命」と呼び、「麻薬政府を解体する全国キャンペーンを開始する」と宣言した。
バシャ党首は民主党が2013年の議会選挙に敗れた後、党首に指名された。
民主党は今月初めに6つの自治体で行われた地方選挙で惨敗を喫した。各紙の世論調査によると、回答者の多くが内戦状態の民主党にウンザリしていると回答したという。
バシャ党首のベリシャ元大統領に対する三下り半は昨年5月の米ブリンケン国務長官の介入に続くものだった。同長官はベリシャ元大統領とその近親者に対し、「同氏が首相を務めていた2005年~2013年の間に汚職に手を染めた」と非難し、ペルソナ・ノン・グラータに指定した。
ペルソナ・ノン・グラータは外交団を受け入れる側に与えられる権限のひとつで、一方的に発動可能。発動理由を提示する義務はなく、宣言を受けた大使は外交的地位を剥奪される。
またブリンケン国務長官は、ベリシャ元大統領が民主党の党首に就任した場合、協力関係を構築することはないと宣言した。