◎この集会はロシアのクリミア併合8周年を記念して開催された。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は18日、満員のモスクワスタジアムに姿を現し、ウクライナで戦う自国の兵士を称賛した。
一方、ウクライナとの外交交渉に臨むロシア代表団のリーダーは18日、意見の相違は狭まっていると主張した。ウクライナ側は立場に変わりはないとしている。
プーチンライブはロシア軍が首都キエフを含むウクライナの都市に致命的な砲撃を加え続け、ポーランド国境に近い西部リビウ郊外の航空機修理施設を爆撃する中で開催された。
プーチン大統領は大勢のファンに、「私たちの軍隊は肩を並べ、助け合い、支え合っています」と語りかけた。「これ程の結束は長い間見たことがありませんでした」
この集会はロシアのクリミア併合8周年を記念して開催された。
プーチン政権に批判的な複数のテレグラムチャンネルは、「多くの地域の公務員、学生、団体が記念日を祝う集会やイベントに参加するよう上司に命じられた」と報じた。AP通信によると、同様の集会が全国各地で開催されたという。
モスクワ警察は、会場とその周辺に20万人以上の人々が集まっていたと報告している。会場では「ウクライナもクリミアもベラルーシもモルドバもみんな私の国」というセリフが入った「Made in the U.S.S.R.(ソビエト社会主義共和国連邦)」などの愛国歌が演奏された。
プーチン大統領は戦争を正当化するために、聖書を引用して「友のために魂を捧げることほど大きな愛はない」と述べ、ロシア軍を称賛した。
またプーチン大統領は「ナチズムのない世界のために」という看板が掲げられたステージで西側を「ネオナチ」と罵倒し、今回の軍事作戦は大量虐殺を防ぐための取り組みと強調した。
AFP通信などによると、ライブ映像は何度か中断されたが、国営メディアは技術的な問題を何とかクリアしたという。
プーチン大統領はここ数週間、世界の指導者や軍の高官と無駄に長いテーブルで話したり、テレビ会議を通じて話をするなど、孤立しているように見えたが、この日の集会では多くのファンに囲まれ穏やかな表情を浮かべていた。
侵略後、ロシアは反対意見や情報の流れをより厳しく取り締まり、1万人以上の反戦デモ参加者を逮捕し、フェイスブックやツイッターなどのSNSを禁止した。戦争に関連する報道は虚偽と見なされ、厳しい実刑判決を受ける可能性がある。
政治犯の逮捕を監視している権利団体OVD-Infoによると、モスクワとサンクトペテルブルクで集会前に取材活動を行っていた独立系ジャーナリスト少なくとも7人が拘束されたという。
白いタートルネックと青いダウンジャケット姿で登壇したプーチン大統領は約5分間演説を行った。プレゼンターを含む一部の人々は、ウクライナでロシアの戦車や他の軍用車両に見られ、戦争支持者に受け入れられているシンボル「Z」のTシャツやジャケットを着用していた。
一方、ロシアの国営メディアによると、ウクライナとの停戦交渉を率いるメディンスキー氏は「ウクライナの中立化などで合意に近づいた」と述べた。
またメディンスキー氏はウクライナの非軍事化についても、「ウクライナは半ば妥協している」と述べた。
しかし、ゼレンスキー大統領の顧問であるポドリャク氏は「ウクライナの立場に変わりはない」と強調している。
ウクライナはNATO加盟は難しいと示唆しているが、ロシアが提示したとされる「非軍事化」「東部人民共和国の独立承認」「クリミアの放棄」は認めない方針である。
国連によると、18日時点で国外に避難したウクライナ市民は330万人近くに達し、650万人が国内避難民になったという。
米国のジョー・バイデン大統領は18日午前に中国の習近平 国家主席とオンライン会談を行い、ロシアの侵攻や米中関係などについて約2時間協議した。
中国メディアによると、習 国家主席はバイデン大統領に「ウクライナ危機を見たくない」と述べ、「米中両国は世界平和に向けた取り組みに肩入れすべき」と述べたという。
バイデン大統領は中国がロシアに支援を提供した場合に生じる結果について説明した。