◎野党チャデマ党を率いるムボエ氏と3人の党幹部は昨年7月、憲法改正を求める公開フォーラムに参加する直前に逮捕された。
3月4日、タンザニアの裁判所はテロ関連容疑で逮捕された野党指導者のフリーマン・ムボウ被告を釈放するよう命じた。
野党チャデマ党を率いるムボエ氏と3人の党幹部は昨年7月、憲法改正を求める公開フォーラムに参加する直前に逮捕された。
ムボエ氏の支持者は逮捕を「与党の暴挙」「反対意見を封じ込める試み」と非難した。また、ムボエ氏の弁護士は拘束期間が7カ月に及んだことを問題視し、さらにムボエ氏は警察から拷問を受けたと主張している。
地元メディアによると、検察庁長官は裁判資料の中で、「同庁はムボエ被告と他の3人の被告人に対する訴訟に関心がない」と述べた。
4人はテロ計画、テロ行為への資金提供、テロリストの会合への参加、テロリストに関連する財産を所有した罪に問われていた。
国の宗教指導者や他の野党指導者は、同国初の女性大統領であるサミア・スルフ・ハッサン大統領に刑事告発を取り下げるよう要請していた。
ダルエスサラームの判事は4日、検察がテロ関連容疑を取り下げるよう動いたことを受け、ムボエ氏らの釈放を命じた。
事件を担当する州検察官のキダンド氏は法廷で、「私たちはこの訴訟を続けるつもりはない」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。
地元メディアも4人の容疑が取り下げられた理由は分かっていないと報じている。
ハッサン大統領は昨年3月、コロナウイルスに感染し死去したジョン・マグフリ大統領の後を引き継いだ。
マグフリ氏は汚職を拒絶し政治から無駄を省くというスローガンで有権者の支持を集めたが、反対派の野党議員や関係者を力でねじ伏せ非難されることが多々あった。
一方、ハッサン大統領の政府スタイルはマグフリ氏と同じく市民ファーストだが、思慮深く思いやりがあるとのこと。