◎フランス主導のアフリカ連合軍は2012年からサヘル地域で活動するアルカイダやイスラム国(ISIS)関連のジハード組織と戦っている。
3月4日、マリ共和国の国営メディアによると、イスラム過激派組織が中部の軍事キャンプを襲撃し、兵士少なくとも27人が死亡、20人近くが重症を負ったという。
ジハード組織はマリとブルキナファソの国境からそれほど離れていない町の軍事キャンプを襲撃したと伝えられている。国営メディアによると、今回の襲撃は今年発生した同様の事件の中で最大規模だったという。
フランス主導のアフリカ連合軍は2012年からサヘル地域で活動するアルカイダやイスラム国(ISIS)関連のジハード組織と戦っている。犠牲者は民間人込みで数千人、約150万人が避難民になったと推定されている。
EUとマリを含む西アフリカ諸国の関係は、一部の国の暫定政府がロシアの傭兵を領土保全のために雇って以来、緊張している。
フランスは先月、マリから部隊を撤退させると発表した。完全撤退には半年かかる見込み。なお、仏軍はマリから撤退した後も国連、アフリカ連合、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)などと共に作戦を継続する。
仏軍は2013年にサヘル紛争(マリ北部紛争)に介入し、マリ北部の町などからジハード組織を追い出す軍事作戦を指揮した。
しかし、ジハード組織の攻撃は一向に止まず、その影響はマリの中心部にまで拡大し、多くの兵士が犠牲になった。
また、マリではこの1年半の間に2度軍事クーデターが発生し、不安定な状態が続いている。アシミ・ゴイタ大佐は近いうちに大統領選挙を行うと約束していたが、先月、2026年まで選挙を延期すると発表した。
国際社会はゴイタ大佐の決定を非難しているが、一部の国民はこの決定と軍事政権を擁護し、各地でフランスに抗議するデモが発生した。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は先月、「仏軍の撤退任務はマリに駐留する国連平和維持軍の安全と仏兵の安全を確保するために6カ月かけて行う」と発表したが、マリ当局は速やかに撤退するよう要請している。