◎マクロン大統領はオランド前大統領のもとで経済大臣を務め、2017年の大統領選で初当選を果たした。
2022年2月25日/ベルギー、ブリュッセルで開催された臨時EU首脳会談、エマニュエル・マクロン大統領(Olivier Hoslet/Pool/AP通信)

3月3日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は4月の大統領選に立候補すると公式に宣言した。

マクロン大統領は「フランス人への手紙」と題する声明の中で、「私は再び皆さんの承認を求めます」と述べた。「私はフランスと欧州が直面している問題を皆さんと一緒に考え、対策を考案します...」

仏大統領選の第1ラウンドは4月10日に行われる予定。第1ラウンドで過半数を獲得する候補者が出なかった場合は4月24日の決選投票で勝者を決める。

地元メディアによると、マクロン陣営はロシアのウクライナ侵攻で選挙活動の変更を余儀なくされたという。

この数週間、マクロン大統領は世界の指導者との外交交渉や西側の同盟国との調整に追われ、選挙に関する発言をほとんどしていなかった。

各紙の世論調査によると、支持率トップはマクロン大統領で、保守派のヴァレリー・ペクレス氏、極右のマリーヌ・ル・ペン党首、同じく極右のエリック・ゼムール氏の3人が挑戦者になると予想されている。

リベラル派は共同戦線の形成に失敗し、右派に後れを取っている。リベラル派のアイコンである元司法大臣のクリスチャーヌ・トビラ氏は先日、選挙戦から撤退すると発表した。

フランス世論研究所のワラードCEOは3日、AP通信の取材に対し、「マクロン大統領に追い風が吹いている」と述べた。「今週放送されたウクライナ侵攻に関するマクロン大統領の視聴者数は2,100万人に達しました...」

ワラードCEOは、「国民の大多数はマクロン大統領を危機に対処する責任者と見なしている」と指摘した。

ここ数カ月のマクロン大統領の支持率は比較的安定しており、各紙の世論調査はおおむね40%前後で推移している。これは前任のオランド政権やサルコジ政権よりかなり高い。

マクロン大統領は正式に立候補を表明する前に、選挙に必要な公職者の推薦500人を集めた初の候補者になった。大統領選の第1ラウンドに進むためには、国会と地方議会の議員500人以上の推薦を集める必要がある。

マクロン大統領は声明の中で、「ウクライナ戦争の影響で望んでいたような選挙活動はできなくなる」と述べた。

国営メディアによると、大統領府の関係者も大規模な選挙運動は今のところ行わないと述べたという。また関係者は、「マクロン大統領は選挙運動が進行中の危機への対応に影響を与えることを望んでいない」と強調した。

フランスは現在、EUの議長国を務めており、マクロン大統領はロシアへの対応を組織する上で重要な役割を担っている。

マクロン大統領はオランド前大統領のもとで経済大臣を務め、2017年の大統領選で初当選を果たした。

マクロン大統領は雇用創出を促す経済改革に着手し、法人税を減税し、労働者の雇用と解雇のルールを緩和し、失業手当の受給を難しくした。リベラル派は、大統領の政策がフランスの福祉を脅かしていると主張している。

その後、マクロン大統領は2018年末に発生した黄色いベスト運動で最初の大きな危機に直面した。

この運動は燃料税の引き上げ計画に反対するデモから始まり、爆発的な勢いで全国に拡大した。

それから2年後、コロナの大流行でフランスの経済は停滞し、マクロン大統領は「フランスは戦争状態にある」と宣言した。当初予定していた経済改革はコロナの影響で延期を余儀なくされている。

マクロン大統領は声明の中で、「改革のおかげでフランスの産業は再び雇用を創出し、失業率は過去15年間で最低の水準に達した」と述べた。失業率は政権を取った直後の10%超から7.4%まで改善している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク