◎国際通貨基金(IMF)は今週、「選挙が再び延期された場合、ソマリアの援助プログラムを停止しなければならないかもしれない」と警告していた。
2月25日、ソマリア政府は全国で実施している議会選挙の締め切りを延長すると発表した。
ソマリアの議会選挙はモハメド・アブドゥライ・モハメド大統領とローブル首相の権力争いや派閥間抗争の影響ですでに1年以上遅れており、全州の投票は2月25日までに完了する予定だった。
ソマリアの選挙システムは複雑で、3万人近い氏族代表が下院議員275人を選び、上院議員は州議会の投票で選出される。
その後、上下両院の議員が投票で新大統領を選出する。AFP通信によると、25日時点で175人の下院議員が選出されたという。
ユスフ情報副大臣は25日に放送されたテレビ演説の中で、議会選挙の期限を3月15日まで延長すると発表した。
国際通貨基金(IMF)は今週、「選挙が再び延期された場合、ソマリアの援助プログラムを停止しなければならないかもしれない」と警告していた。
ソマリアは世界で最も危険な国のひとつであり、ソマリア・EU・米国連合軍はアルカイダ、アル・シャバブ、アルヒジュラ、ムジャヒディン、イスラム国、ソマリアのイスラム国などのジハード組織と対峙している。2009年に始まった内戦が終結する見通しは全く立っていない。
モハメド大統領の派閥とローブル首相の派閥は安全保障の権限を誰に与えるかで対立しており、アフリカ連合の平和維持ミッションは暴力ではなく話し合いで混乱を収めるよう求めている。
IMFのソマリアプログラムを担当するローラ・ジャラミロ氏はAFP通信の取材に対し、「プログラムは5月中旬に見直される予定だが、選挙の遅れで新政権のプログラム承認が間に合わなければ、自動停止に追い込まれるかもしれない」と語った。
モハメド大統領の任期は昨年2月に切れたものの、議会は4月に任期の延長を認め、反対派の怒りを買った。
その後、ローブレ首相は新たな選挙日程を何とかまとめたが、モハメド大統領と激しく対立し、首都モガディシュで自爆テロや爆弾攻撃が相次ぐようになった。
国際社会は選挙の遅れと派閥の確執が新たな問題を引き起こすのではないかと懸念している。米国は先月、2月25日の期限に間に合わなかった場合、制裁を科すと警告していた。
しかし、ローブレ首相は先日、「多くの障害があったにもかかわらず、下院の約71%に当たる175人の議員が選出されたことを高く評価する」と声明を発表し、国際社会の懸念を払しょくした。
AFP通信によると、遅れが出ている地域のひとつであるジュバランド州は投票会場の選定で”すったもんだ”しているという。
政府は代表団をジュバランド州に派遣する予定と伝えられている。
政府はまた、以前の合意に基づき、議会における女性枠が30%を下回らないようにする必要があると強調した。