コンテンプト・オブ・コート 7-12
マイクは車を駐車場に入れ、空いているスペースに停めた。
周囲には数台の車が停まっていた。商業施設から離れた場所で、人通りは少ない。駐車場の奥には、白いセダンが一台停まっている。
マイクはエンジンを切った。
携帯電話を取り出し、ジムに電話をかける。数回の呼び出し音の後、ジムが応答した。
『着いたか?』
「駐車場に入った。ここで間違いないな?」
『携帯はそこにある』
マイクは通話を切った。
ローリーが白いセダンを見る。
「カーターの車?」
「分からない」
二人は車を降り、白いセダンへ向かった。
駐車場の周囲を確認する。近くに人影はない。ほかの車にも、誰かが乗っている様子はなかった。
マイクは運転席側へ回り、ドアノブに手をかけた。
ロックはかかっていなかった。
「開いてるわ」
ローリーが言った。
マイクはドアを開け、車内を確認する。人の姿はなかった。
「あいつ……」
ローリーは後部座席を覗き込んだ。
マイクは携帯電話を取り出した。
「もう一度かけてみる」
発信操作をする。
すぐに、車内から着信音が聞こえた。
二人は顔を見合わせた。
音は後部座席のあたりから聞こえている。ローリーが身をかがめ、座席の上を確認した。書類の入った箱がいくつか置かれている。その脇に、携帯電話があった。
「ここに残していったのね」
マイクは通話を切った。着信音が止まる。
「携帯を置いていったということは、追跡されるのを避けたかったんだろう」
「でも、どうして車まで残したの?」
「分からない。少なくとも、カーターはここから別の場所へ移動した」
ローリーは後部座席に目を戻した。
箱の一つに、黒い文字で「捜査資料」と書かれたラベルが貼られていた。ほかの箱より大きく、蓋はきちんと閉じられている。
「マイク、これを見て」
マイクが後部座席へ近づいた。
「捜査資料……」
ローリーは箱の蓋に手をかけた。重さを確かめるように少し持ち上げる。中には相当量の書類が入っているようだった。
「カーターが残したものかしら」
「ほかに考えられないな」
マイクは周囲をもう一度確認した。駐車場の出入口を通る車はあるが、こちらを気にしている様子はない。
「中を確認しよう」
ローリーはうなずいた。
彼女は箱を後部座席から取り出し、後部ドアの脇に置いた。マイクは車のドアを開けたまま、周囲に注意を払っていた
カーターは携帯電話を残し、姿を消した。
彼が何を考え、どこへ向かったのかは分からない。
この箱を二人に見つけさせるつもりだったのかもしれない。
ローリーは蓋に手をかけた。
