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コンテンプト・オブ・コート 6-39

アンカレッジ市内の病院。

翌朝、医師が病室から出てきた。

カーターは壁際の椅子から立ち上がった。ほとんど眠っていなかった。医師の表情を見た時点で、結果は分かっていた。

「最善を尽くしましたが……」

医師は言葉を切った。

カーターは病室に入った。ベッドの上で、妻は目を閉じていた。顔から苦痛は消えていた。カーターはベッドの脇に立ち、しばらく妻を見つめた。

「……遅くなって、すまなかった」

返事はなかった。

無罪になったことを伝えるつもりだった。もう殺人犯として扱われることはない。これからは、妻のそばにいられる。そう話すはずだった。

その言葉を聞かせる相手は、もういなかった。

カーターはベッドの縁に手を置いた。妻の手に触れ、しばらくその場を動かなかった。

やがて看護師が入室し、今後の手続きについて説明した。

カーターは必要な書類に署名した。質問には短く答えた。病室を出る前、もう一度だけ妻に目を向けた。


昼過ぎ、カーターは病室で妻の私物をまとめていた。衣類、読みかけの本、引き出しに入っていた小物。どれも大した量ではなかった。

紙袋を手に、病院を出た。

自宅に戻ると、玄関の鍵をかけ、荷物を床に置いた。家の中は静かだった。妻が使っていたカップが台所に残っている。テーブルには、二人で暮らしていた頃の写真が立ててあった。

カーターは写真を手に取った。

長いあいだ、カーターは自分の判断を正当化してきた。妻の治療費が必要だった。守るものがあった。だから仕方がなかった。そう言い聞かせ、コールの命令に従い、刑事の権限を利用してきた。

だが、その結果がこれだ。

妻は死んだ。自分が犯した罪も消えない。

カーターは写真を元の位置に戻した。上着を脱ぐこともなく、携帯電話を取り出した。連絡先を開き、登録された番号を選ぶ。

呼び出し音が数回続いた。

相手が電話に出た。

「……俺です」

カーターは窓の外を見た。

「カーターです。覚えていますか」

返事を聞き、短くうなずいた。

「伝えておきたいことがあります」

彼は椅子に腰を下ろした。

「ローリー・ブルックスに会いました。彼女に助けられた。俺が刑務所にいた間も、あの女は俺を見捨てなかった」

言葉を切り、相手の返事を待った。

「彼女は、自分が何をしているのか分かったうえで動いていた。俺の過去を知っても、事件の真相を明らかにしようとした。……借りができました」

カーターは目を伏せた。

「もう一つ、話しておきたいことがあります」

声の調子が変わった。

「決着をつけるつもりです」

電話の向こうから何かを尋ねる声がした。

「俺はあいつのためにやってきたことから逃げるつもりはありません」

カーターは机に片手を置いた。

「これから何が起きるかは分からない。だから、今のうちに伝えておきます」

カーターは息を整え、言った。

「今から言うことをよく聞いてください。もし、俺が死んだら……」

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