スペイン高速鉄道事故、死者69人に、今年2度目の惨事、総選挙前に安全対策が争点に
事故は停車していた列車に後続列車が追突したもので、救助隊は29日も警察犬やクレーンを投入して捜索を続けた。
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スペイン中部トレド県ウルダ近郊で10月28日に発生した列車同士の衝突事故について、当局は29日、これまでに69人が死亡し、50人が入院していると明らかにした。
事故は停車していた列車に後続列車が追突したもので、救助隊は29日も警察犬やクレーンを投入して捜索を続けた。政府は同日から3日間の服喪期間を設けた。1月にも南部で46人が死亡する列車事故が起きており、今年2度目の重大事故が鉄道の安全性への信頼を揺るがしている。
プエンテ(Oscar Puente)運輸相によると、28日の午前8時30分ごろ、約63キロにわたる区間で信号・安全システムがコンピューターの不具合により停止した。
列車は一斉に停止し、民間運行会社イリョ(IRYO)の列車がウルダ近郊で停車した一方、国営鉄道会社レンフェ(RENFE)の列車は約25キロ後方にいた。その後、中央指令所はレンフェの列車に速度制限を設けず運行を再開するよう指示。午前8時53分ごろ、イリョの列車に追突したという。
プエンテ氏は、停止信号が解除されていない状況で運行再開を指示した判断に問題があったとの見方を示した。
サンチェス(Pedro Sánchez)首相は現場を訪れ、原因究明と再発防止策を約束した。スペインの高速鉄道網は中国に次ぐ世界有数の規模を持ち、昨年は約4500万人が利用した。長年、国の交通インフラの成功例とされてきたが、今年の事故はいずれもマドリード―セビリア間の路線で発生している。
事故は11月29日の総選挙を約1カ月後に控えた時期に起き、サンチェス政権に政治的圧力をかけている。最大野党・国民党(PP)のフェイホー(Alberto Núñez Feijóo)党首は政府に対し、全面的な調査を要求。極右政党ボックス(VOX)も政府を強く批判した。
サンチェス政権は安全対策の強化を迫られており、事故原因の解明と鉄道への信頼回復が選挙戦の焦点となる。
