イスラエル総選挙、ネタニヤフ氏がアラブ系政党を批判、政権維持に暗雲
選挙管理委員会によると、開票率99%時点で、ネタニヤフ氏率いる与党陣営は120議席中53議席、対抗するアイゼンコット元軍参謀総長の陣営は48議席を獲得する見通しとなった。
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イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は29日、総選挙で躍進したアラブ系政党について、証拠を示さずに不正投票があったと主張した。アラブ系住民の投票率上昇によって政権維持が難しくなる中、首相と極右勢力による批判が強まっている。アラブ系政党は選挙結果を損ない、アラブ系市民への敵意をあおる政治的攻撃だと反発した。
選挙管理委員会によると、開票率99%時点で、ネタニヤフ氏率いる与党陣営は120議席中53議席、対抗するアイゼンコット(Gadi Eisenkot)元軍参謀総長の陣営は48議席を獲得する見通しとなった。いずれも過半数の61議席に届かず、アラブ系政党が19議席を得る見通しとなったことで、次期政権の発足を左右する存在となった。アラブ系住民はイスラエル人口の約21%を占める。
ネタニヤフ氏の与党・リクードは、アラブ系住民の多い地域で投票買収や脅迫があったとして、警察と国内治安機関シンベトに調査を要求した。警察は不正投票の疑いで少なくとも7人を逮捕した。
一方、選管は選挙の公正性が組織的に損なわれたとする主張を裏付ける根拠はないとの見解を示した。シンベトも調査対象は個別の容疑者であり、アラブ系住民全体に疑いを向けるべきではないと強調した。
イスラム政党ラアム(統一アラブリスト)は29日、ネタニヤフ氏の発言について、アイゼンコット氏を威圧し、アラブ系政党の協力を得て政権を樹立する可能性を封じる狙いがあると批判した。ヘルツォグ(Isaac Herzog)大統領も不正疑惑は調査すべきだとする一方、投票権を行使した共同体全体を中傷してはならないと警告した。
選挙後の連立交渉は難航が予想される。アイゼンコット氏がアラブ系政党の協力を得れば政権交代の道が開ける可能性があるものの、ユダヤ系主要政党には協力への抵抗も強い。アイゼンコット氏も以前、アラブ系政党との協力に否定的な見方を示していた。
ネタニヤフ氏の発言は政権の行方だけでなく、イスラエル社会におけるユダヤ系とアラブ系住民の関係にも影響を及ぼしそうだ。
