ハイチ総選挙、2027年7月に延期、エルサルバドルがギャング対策で兵士2000人超を派遣
ハイチは2016年以来、国政選挙を行っておらず、2021年にモイーズ大統領が暗殺されて以降、大統領職も空席となっている。
の装甲車(AP通信).jpg)
ハイチ政府は29日、総選挙の第1回投票を2027年7月18日、第2回投票を同年10月4日に実施すると発表した。当初は2026年12月に予定していたが、ギャングによる暴力の拡大を受けて延期された。
ハイチは2016年以来、国政選挙を行っておらず、2021年にモイーズ(Jovenel Moise)大統領が暗殺されて以降、大統領職も空席となっている。現在はフィスエイム(Alix Didier Fils-Aimé)首相が暫定政権を率いている。
選挙管理当局は2027年1月中旬までに大統領選や上院選などの候補者名簿を公表し、5月20日に有権者登録を締め切る予定だ。ただし、首都ポルトープランスを含む各地では武装ギャングが広範囲を支配し、治安の回復と選挙の安全確保が大きな課題となっている。
こうした状況を受け、エルサルバドル政府はギャング対策を支援するため2000人を超える兵士をハイチに派遣した。現地では10月18日、国連安全保障理事会の承認を受けた「ギャング制圧部隊(GSF)」に関わるエルサルバドルの航空技術者4人が、武装ギャングの襲撃後に行方不明となった。ハイチ政府は4人がギャングに拉致されたと報告している。
エルサルバドル兵の指揮系統や任務の期間、交戦規則は明らかになっていない。専門家はGSFやハイチ警察との連携が不透明だと指摘し、国際的な枠組みとは別の作戦が展開される可能性に懸念を示している。
民間人の被害も深刻だ。国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は10月18~26日の間に、銃撃やドローン攻撃による負傷者30人を治療したと明らかにした。MSFによると、道路や橋の封鎖で病院への移動が難しくなり、医療施設の多くが閉鎖されている。
選挙日程は示されたものの、治安が改善しなければ投票の実施は困難だ。国際部隊の活動と住民保護を両立させ、民主的な政治体制を再建できるかが問われている。
