コンテンプト・オブ・コート 2-12
アンカレッジ連邦地方裁判所近く。
午後。
裁判所から少し離れた駐車場に、一台の車が止まっていた。
エイダンとジムが車の後ろに立っている。
ジムがトランクを開けた。
黒いケースを取り出す。
蓋を開ける。
中には軍用の小型ドローンと操作機器が入っていた。
エイダンがケースを覗き込む。
「これを使うのか?」
「ああ」
ジムは携帯電話を取り出した。
画面には、マイクから送られてきた指示が表示されている。
「裁判所の上階にいるオースティンを監視する」
エイダンが画面を見る。
「弁護士のオースティンか?」
「ああ」
「何をする?」
「電話を使ったら録音する」
エイダンがジムを見る。
「マイクの指示か?」
「ああ」
「分かった」
ジムが携帯電話をしまう。
エイダンがドローンをケースから取り出した。
機体を確認する。
「俺が飛ばす」
「頼む」
エイダンが操作機器を手に取る。
ドローンのプロペラが回り始めた。
小さな音が駐車場に響く。
エイダンが周囲を確認する。
「人は少ない」
「今のうちだ」
エイダンが操作する。
ドローンが上昇した。
ゆっくりと裁判所へ向かっていく。
ジムは画面を確認する。
裁判所の外観が映っている。
「正面に警備員がいる」
「裏は?」
「回ってくれ」
エイダンが操作する。
ドローンが建物の側面へ移動する。
裏側には出入口があった。
その前に車が二台止まっている。
「裏口がある」
「出入りは?」
「今はない」
エイダンがさらに高度を上げる。
裁判所の上階が画面に映る。
窓が並んでいる。
ジムが画面を確認した。
「この辺りだ」
「オースティンは?」
「まだ見えない」
エイダンがドローンをゆっくり移動させる。
一つの窓の向こうに人影が見えた。
ジムが画面を拡大する。
「いた」
エイダンが画面を見る。
「本人か?」
「確認する」
ジムが資料を取り出す。
写真と画面を見比べる。
「間違いない」
エイダンがドローンを止めた。
「ここで待つ」
「ああ」
ジムが録音機器を確認する。
まだ起動しない。
「電話を使うまで待つ」
「分かってる」
エイダンは操作機器を持ったまま、画面を見続ける。
窓の向こうで、オースティンが机に座っている。
書類を確認している。
裁判所の中では、何も知らない人々が動いている。
その上空で、ドローンだけが静かに浮かんでいた。
