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旅行詐欺が巧妙化、実在する予約情報を悪用も、知っておくべき安全対策

専門家が共通して強調するのは、旅行中に届く「緊急の連絡」をそのまま信用しないことだ。
サイバー攻撃のイメージ

旅行者を狙った詐欺が巧妙化している。人工知能(AI)によって本物と見分けにくい偽サイトが作られるようになったほか、旅行会社やホテルから流出した情報を悪用し、実際の予約内容に合わせた偽のメールやメッセージを送る手口も広がっている。米連邦取引委員会(FTC)によると、米国では昨年、詐欺による被害の申告額が計35億ドルに達し、なりすまし詐欺が最も多く報告された。

特に注意が必要なのが「予約乗っ取り」と呼ばれる手口だ。旅行者がホテルを予約すると、詐欺師がホテルや予約サービスの従業員を標的にしたフィッシングなどを通じて正規の予約情報を入手し、宿泊日や料金などを記載したメールを送る。メールには「支払いに問題がある」「予約を維持するには再決済が必要」などと記され、利用者を偽の決済ページへ誘導する。

この手口が危険なのは、偽の予約情報ではなく、本物の予約情報が詐欺に利用される点にある。旅行者にとっては、自分が実際に予約したホテルから突然連絡が来れば、疑いを持ちにくい。メールやSMSに記載された電話番号やリンクを使うのではなく、ホテルの公式サイトを自分で検索し、そこに掲載された連絡先から確認することが重要だ。

航空便をめぐる詐欺にも警戒が必要だ。出発直前に「フライトが欠航した」「予約を変更する必要がある」といった緊急性の高いメッセージを送り、再予約のための追加料金を要求する。旅行者が焦ってリンクを開けば、偽サイトに誘導され、金銭や個人情報を盗まれる可能性がある。

航空便の欠航や遅延について通知を受けた場合は、メッセージ内のリンクを開くのではなく、航空会社の公式アプリや公式サイトに直接アクセスして確認すべきだ。また、航空券や搭乗券の写真をSNSに投稿することも避けた方がよい。バーコードやQRコードには、利用者が考える以上の予約情報が含まれている場合がある。

旅行先では、飲食店などに設置されたQRコードにも注意が必要である。正規のQRコードの上に偽のステッカーを貼り、利用者を不正な決済サイトへ誘導する手口がある。不自然なシールが重ねて貼られている場合や、表示された決済ページに違和感がある場合は店員に確認し、現金やカードなど別の支払い方法を選ぶことが推奨される。

さらに、空港やホテル、カフェなどの無料Wi-Fiにもリスクがある。犯罪者が正規ネットワークとよく似た名称の偽アクセスポイントを設置し、接続した利用者の個人情報を盗み取るケースがある。公共Wi-Fiを使う場合は地図検索など必要最低限の用途にとどめ、銀行口座や電子メールなど重要なサービスへのログインは避けるのが安全だ。

専門家が共通して強調するのは、旅行中に届く「緊急の連絡」をそのまま信用しないことだ。旅行者は航空会社やホテルから連絡が来ることを当然と考えているため、詐欺師はその心理を利用する。AIや流出情報によって詐欺の見た目が本物に近づく中、最も有効な対策は、メッセージを受け取った経路ではなく、公式サイトや公式アプリなど別の経路から情報を確認する習慣を持つことである。

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