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SNSで日焼けブーム、小麦色の肌に憧れる若者急増、注意点と知っておくべきこと

動画共有アプリでは、効率よく日焼けする方法や日焼けマシンの利用法を紹介する投稿が1000万回以上再生されるなど、ブロンズ色の肌を理想とする風潮が勢いを増している。
日光浴のイメージ(Getty Images)

健康的な小麦色の肌への憧れが、若者を中心に再び広がっている。動画共有アプリでは、効率よく日焼けする方法や日焼けマシンの利用法を紹介する投稿が1000万回以上再生されるなど、ブロンズ色の肌を理想とする風潮が勢いを増している。一方、皮膚科医や公衆衛生の専門家は、こうした流行が皮膚がんのリスクを軽視する風潮につながりかねないとして警戒を強めている。

こうした危険性を訴える一人が、米国のニコール・シムズ(Nicole Sims)さんだ。15歳で日焼けサロンに通い始め、周囲の友人たちと同じように学校行事やダンスパーティーの前には日焼けマシンを利用していた。しかし、8年後の23歳で悪性黒色腫(メラノーマ)と診断された。現在は自身の体験をSNSで発信し、「若い世代は目先の見た目を優先し、長期的な健康リスクを十分に考えない傾向がある」と注意を呼びかけている。

専門家によると、日焼けは「健康的な肌」の証ではない。紫外線を浴びた皮膚がDNAの損傷から身を守ろうとしてメラニン色素を増やした結果であり、肌が傷ついているサインだという。米食品医薬品局(FDA)も、「安全な日焼けというものは存在しない」と明言しており、小麦色の肌は防御反応の結果に過ぎないと説明している。日焼けによって得られる紫外線防御効果もSPF2~4程度と極めて限定的で、「ベースタン(下地の日焼け)」が日焼けや皮膚障害を防ぐという考え方には科学的根拠がない。

とりわけ危険視されているのが日焼けマシンの利用だ。米ノースウェスタン大学の研究では、日焼けマシンを利用する人は利用しない人と比べてメラノーマの発症リスクが約3倍に高まることが確認された。研究チームが皮膚細胞を調べたところ、日焼けマシン利用者では色素細胞のDNA変異が大幅に増加していた。日焼けマシンは太陽光の10倍を超える強さの紫外線を放射する機種もあり、細胞に蓄積した遺伝子変異が、がん発症の引き金になる可能性があるという。

世界保健機関(WHO)は以前から日焼けマシンをたばこやアスベストと同じ「発がん性が確認された物質」に分類している。また、20歳未満で日焼けマシンを利用するとメラノーマの発症リスクが47%高まるとの調査結果もある。このため米国ではカリフォルニア州を皮切りに未成年者の利用を禁止する州が増えてきたが、連邦レベルでは18歳未満の利用を禁じる規制案が今年3月にFDAによって撤回され、専門家からは「国民に誤ったメッセージを与えかねない」と懸念する声が上がっている。

背景にはSNSの影響も大きい。米皮膚科学会が2025年に実施した調査では、Z世代は他の世代に比べて紫外線対策への理解が不十分で、「日焼けしてから外出すれば肌は守られる」「日焼け止めは有害」といった誤った情報を信じる割合が高かった。動画投稿サイトでは、紫外線指数が最も高い時間帯に日光浴を勧めたり、専門家の警告を揶揄したりする投稿も広がっており、若者の健康意識への影響が懸念されている。

専門家は、若年層への啓発では「将来がんになる」と訴えるだけでは十分な効果は期待できないと指摘する。むしろ、紫外線によるしわやたるみ、肌の老化といった美容面への影響を具体的に伝える方が理解を得やすいという。また、保護者自身が日焼け止めを日常的に使用し、安全な紫外線対策を実践する姿勢を示すことも重要だとしている。流行に左右されず、科学的根拠に基づいた正しい知識を広めることが、皮膚がん予防への第一歩となりそうだ。

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