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時差ぼけを最小限に抑える食事と飲み物のコツ

専門家は、睡眠時間の調整だけでなく、食事や水分補給の工夫によって症状を軽減できる可能性があると指摘している。
時差ぼけのイメージ(Getty Images)

夏休みの旅行シーズンを迎え、海外旅行で悩みの種となる「時差ぼけ(ジェットラグ)」への関心が高まっている。時差ぼけは睡眠不足だけでなく、体内時計が現地時間とずれることで起こる生体リズムの乱れであり、眠気や疲労感、頭痛に加え、腹部膨満感や便秘、下痢など消化器症状を引き起こすことも少なくない。専門家は、睡眠時間の調整だけでなく、食事や水分補給の工夫によって症状を軽減できる可能性があると指摘している。

米メイヨー・クリニックの管理栄養士タラ・シュミット(Tara Schmidt)さんは、旅行前から食事時間を目的地の時刻に徐々に近づけることが有効だと説明する。例えば、最初は15分、次に30分、さらに1時間というように、毎日少しずつ食事時間を前後させることで、体内時計を新しい時間帯に慣らしやすくなるという。急激に生活リズムを変えるよりも、段階的な調整の方が身体への負担を軽減できるとしている。

目的地に到着した後は、できるだけ早く現地の生活時間に合わせることが重要となる。専門家は「到着したらすぐに新しいスケジュールで生活することが望ましい」と強調する。朝であれば朝食を取り、昼食や夕食も現地の時間帯に合わせることで、体内時計の調整が促される。2023年に米ノースウェスタン大学の研究者らが発表した研究では、新しい時間帯に合わせて十分な朝食を取ることが時差ぼけの回復を助ける可能性が示された。食事は体内時計を調整する重要な刺激の一つと考えられている。

一方、長時間のフライトでは胃腸への負担にも注意が必要である。米疾病対策センター(CDC)は、搭乗前や飛行中は食事量を控えめにするよう勧めている。小分けの食事は胃腸への負担が少なく、時差ぼけに伴う消化器症状を悪化させにくいという。旅行先では現地の食文化を楽しむことも旅の醍醐味だが、旅行初日から脂肪分の多い料理や刺激の強い食品を大量に摂取すると、胃腸の不調を招く恐れがあるため注意が必要だ。体調が安定してきた段階で徐々に食事量を増やすことが望ましい。

飲み物の選び方も体調管理を左右する。専門家は、旅行中の飲酒はできるだけ控えるよう呼びかけている。アルコールは眠りを浅くし、睡眠の質を低下させることが知られており、時差ぼけの回復を遅らせる要因となる。また、コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは、朝に摂取する分には覚醒を助ける効果が期待できるものの、夕方以降に飲み過ぎると入眠を妨げる可能性があるため、摂取する時間帯を意識することが重要だという。さらに、アルコールとカフェインはいずれも脱水を助長するため、疲労感を強める原因にもなり得る。

機内は湿度が低いため、水分補給も欠かせない。専門家は搭乗前から飛行中、到着後まで継続的に水を飲むよう勧めており、旅行先では1日8杯程度の水分摂取を目安としている。ただし、必要な水分量は気温や運動量などによって異なるため、自身の体調に応じて調整することが望ましい。渡航先によっては水道水の安全性が十分でない地域もあるため、不安がある場合は市販の飲料水を利用することも推奨されている。

旅行が終わった後も、できるだけ早く普段の生活リズムへ戻すことが大切である。睡眠時間だけでなく、食事時間も通常の生活に合わせて戻すことで、体内時計は再び安定しやすくなる。専門家は、食事や水分補給だけで時差ぼけを完全に防ぐことは難しいとしながらも、睡眠や日光浴など従来から推奨される対策と組み合わせることで、旅行初日から快適に過ごせる可能性が高まるとしている。

夏の旅行を十分に楽しむためには、出発前から計画的に体内時計を整えることが重要となりそうだ。

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