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「膵臓がん」治療に新たな希望、新薬ダラキソンラシブとは

報告によると、新薬「ダラキソンラシブ(daraxonrasib)」は膵臓がん患者約500人を対象とした大規模試験で、従来の化学療法と比べて生存期間を大幅に延ばす結果を示した。
肝臓のイメージ(Getty Images)

膵臓がん」の治療に新たな可能性を示す実験的な経口薬が注目を集めている。従来、膵臓がんは発見が遅れやすく進行も速いため、極めて予後が悪いがんとして知られてきたが、今回の臨床試験はその状況を大きく変える可能性を示した。

報告によると、新薬「ダラキソンラシブ(daraxonrasib)」は膵臓がん患者約500人を対象とした大規模試験で、従来の化学療法と比べて生存期間を大幅に延ばす結果を示した。具体的には、同薬を投与した患者の中央値生存期間は約13.2か月で、従来治療の約6.7か月のほぼ2倍に達した。死亡リスクも約60%低下したという。

この薬は1日1回服用する錠剤で、がん細胞の増殖を引き起こす「KRAS」と呼ばれる遺伝子変異を標的とする。KRASは膵臓がんの約90%に関与するとされるが、これまで標的治療が難しい「攻略困難な分子」とされてきた。今回の薬は、このKRASの働きを抑える新しい作用機序を持つ点で画期的と評価されている。

さらに、副作用の面でも従来の化学療法より軽度で、患者の生活の質(QOL)の改善が確認された。発疹や吐き気などの副作用は見られたものの、多くは管理可能な範囲にとどまり、治療継続率も高かった。

研究成果は米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表され、医学誌にも掲載された。専門家の間では「数十年で最大の進展」との評価もあり、膵臓がん治療の転換点となる可能性が指摘されている。

米食品医薬品局(FDA)はこの薬の審査を迅速化し、限定的な早期使用も認めている。今後はより早期の患者への適用や、他の治療法との併用による効果向上も期待されている。

膵臓がんは依然として5年生存率が低い難治性がんであるが、この新薬の登場により治療の選択肢が広がる可能性が出てきた。今回の成果は長年停滞していた同分野において、患者と医療現場の双方にとって大きな希望となりつつある。

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