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トルコとイラク、原油パイプラインに関する1年間の協定に署名

対象となるのは、イラク北部の油田からトルコ南部の地中海沿岸港ジェイハンに原油を運ぶ「イラク・トルコ・パイプライン(ITP)」で、イラクにとって重要な輸出ルートの一つとなっている。
イラクとトルコを結ぶ原油パイプライン(ロイター通信)

トルコとイラクは8月1日、両国を結ぶ原油輸送パイプラインの運用を継続するため、1年間の延長合意を締結した。対象となるのは、イラク北部の油田からトルコ南部の地中海沿岸港ジェイハンに原油を運ぶ「イラク・トルコ・パイプライン(ITP)」で、イラクにとって重要な輸出ルートの一つとなっている。今回の合意により、両国は安定的な原油輸送を維持しながら、より長期的な協定に向けた協議を進めることになる。

合意はトルコの首都アンカラで、トルコ国営エネルギー企業BOTASと、イラク国営石油販売会社SOMO、北部石油会社(NOC)の間で署名された。トルコ政府によると、今回の契約は今後12カ月間のパイプライン運用を定めるもので、イラク産原油のトルコへの輸送継続を可能にする。

ITPはイラク北部キルクーク周辺の油田と、地中海に面したジェイハン港を結ぶ重要インフラである。輸送能力は日量最大150万バレルに達するが、現在の輸送量は約17万バレルにとどまっている。今回の合意では、日量75万バレルの輸送能力を維持する方針が示されており、イラクは将来的な輸出拡大を目指している。

このパイプラインを巡っては、過去に長期間の停止を経験している。トルコがイラク中央政府の承認を得ずにクルド自治政府(KRG)産原油を受け入れたとして、国際仲裁裁判所がトルコ側に約15億ドルの賠償を命じたことをきっかけに、輸送が2年半にわたり停止した。その後、輸送は再開されたものの、両国の間では輸出権限や料金体系を巡る問題が残っていた。

イラクにとって今回の合意は、原油輸出の安定化という意味で大きな意味を持つ。同国の石油輸出は湾岸港に大きく依存しており、地域情勢の悪化や海上輸送の混乱による影響を受けやすい。トルコ経由の輸出ルートを維持することで、輸送経路の多様化を進め、エネルギー安全保障を高める狙いがある。

一方、トルコ側もこのパイプラインを戦略的なエネルギー拠点として重視している。トルコは将来的に輸送量を増やし、イラク南部の油田とも連携した新たなエネルギー協力を進めたい考えを示している。両国は今回の延長期間を利用し、輸送能力の拡大や新たな長期契約の締結に向けた交渉を進める見通しだ。

今回の合意は単なる輸送契約にとどまらず、中東のエネルギー供給網における両国の協力関係を示すものでもある。原油市場では地政学的リスクへの懸念が続いており、安定した輸出経路を確保できるかどうかが課題となっている。

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