思春期・若年世代がん、将来のがん発症リスクを高める
研究は15歳から39歳の間に初めてがんと診断された約2万4000人を対象に、最大34年間にわたり追跡したものである。
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若年期にがんを発症した人はその後の人生で新たながんを発症するリスクが高まる。こうした実態を示す研究結果が明らかになった。カナダ・カルガリー大学の研究チームが長期的な追跡調査を行い、その成果が医学誌に発表された。
研究は15歳から39歳の間に初めてがんと診断された約2万4000人を対象に、最大34年間にわたり追跡したものである。その結果、平均約7.4年の追跡期間中に全体の約6%が二次がん、すなわち「続発性原発がん」を発症していたことが分かった。
さらに、若年がんサバイバーの将来的ながんリスクは同年代でがん歴のない人と比較して明確に高い。少なくとも5年以上生存した人に限っても、約16%が高リスク群に分類され、一般集団の約12%を上回った。
特にリスクが高いのは口腔・咽頭がんや乳がんの経験者で、それぞれ約29%、27%が後に新たながんを発症していた。また、大腸がんやホジキンリンパ腫のサバイバーでも2割を超える発症率が確認された。
研究者らは、こうした二次がんの発症には複数の要因が関与していると指摘する。主な要因として、化学療法や放射線治療、ホルモン療法といった治療の影響に加え、初回診断時の年齢や遺伝的素因が挙げられる。
また、長期的に見ると影響はさらに顕著になる。初回のがん診断から30年後には、若年がん経験者の6人に1人が新たながんを発症すると推計されている。これは一般集団よりも早い時期にがんが再び現れる可能性を示している。
一方で、居住地域や社会経済的状況といった要因は、今回の研究では大きな影響を与えていなかった。つまり、医療アクセスや生活環境よりも、生物学的・治療的要因が強く関係している可能性が示唆される。
こうした結果を受け、研究者らは若年がんサバイバーに対する長期的なフォローアップの重要性を強調する。特に、一般よりも早い段階での定期検診やスクリーニングの導入が早期発見・早期治療につながる可能性があるとする。
近年は医療の進歩により若年層のがん生存率が向上し、サバイバーの数が増加している。その一方で、治療後の長期的な健康リスクへの対応が新たな課題となっている。今回の研究は単に「治る」ことにとどまらず、その後の人生を見据えた医療体制の必要性を浮き彫りにしたと言える。
