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教皇レオ14世、移民の死を無視する政治指導者に警告「厳しい審判を受ける」

カナリア諸島はアフリカ西岸から欧州へ向かう海上ルートの玄関口となっている。
2026年6月11日/スペイン領カナリア諸島、ローマ・カトリック教会の教皇レオ14世(AP通信)

ローマ・カトリック教会の教皇レオ14世(Pope Leo XIV)は11日、スペイン領カナリア諸島を訪問し、「移民や難民の死を見過ごす政治指導者は歴史から厳しい審判を受ける」と警告した。アフリカから欧州を目指す移民の主要ルートとなっている同諸島で、人道的な移民政策の必要性を強く訴えた形だ。

教皇はグランカナリア島の港で演説した。この港はコロナ流行期に多数の移民が劣悪な環境の中で足止めされたことから、「恥の波止場」とも呼ばれてきた。教皇は海で命を落とした移民を追悼する記念碑の前で、「苦しむ人々の痛みを当たり前の光景にしてはならない」と述べ、「死者の数を数えることに慣れてはならない」と訴えた。

また、「人間の尊厳に国境はなく、国籍によって価値が失われることもない」と強調し、欧州諸国や国際社会の政治指導者に対して移民問題を安全保障や管理の問題としてのみ扱うのではなく、人権と尊厳の観点から向き合うよう求めた。教皇は合法的で安全な移住ルートの整備、人身売買組織への対策強化、さらに貧困や紛争など移住を余儀なくさせる根本原因への取り組みが必要だと指摘した。

演説では、欧州を目指す途中で人身売買の被害に遭ったナイジェリア人女性の証言も紹介された。女性は暴力や性的搾取を受けた経験を語り、より良い生活を求めて故郷を離れた人々が過酷な現実に直面している実態を明らかにした。教皇は女性に対し、「あなたには幸福になる権利がある」と語りかけ、移民一人ひとりが尊重されるべき存在であると訴えた。

カナリア諸島はアフリカ西岸から欧州へ向かう海上ルートの玄関口となっている。2024年には過去最多となる約4万6800人の不法移民が到着した一方、危険な航海の途中で命を落とす人も後を絶たない。支援団体によると、2025年だけでも3000人以上が同ルートで死亡または行方不明になった。さらに2026年に入ってからも死亡事故が相次いでいる。

教皇は就任以来、移民保護を重要課題の一つに掲げてきた。首都マドリードの議会演説でも、移民への無関心が「国際秩序の倫理的基盤」を揺るがしていると警告した。今回のカナリア諸島訪問は前教皇が進めた移民擁護の路線を引き継ぐ姿勢を改めて示したものと受け止められている。深刻化する移民危機を前に、教皇の訴えが各国政府の政策にどこまで影響を与えるかが注目される。

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