米国務省、キューバ国営石油会社CUPETに制裁、圧力強化
対象企業の米国内資産を凍結し、米国人や米国企業との取引を制限する内容で、トランプ政権による対キューバ圧力の一環と位置付けられる。
.jpg)
米国政府は11日、キューバの国営石油会社ウニオン・クーバ・ペトロレオ(CUPET)に対する制裁を発表した。対象企業の米国内資産を凍結し、米国人や米国企業との取引を制限する内容で、トランプ政権による対キューバ圧力の一環と位置付けられる。近年悪化している両国関係は今回の措置によってさらに緊張が高まる見通しとなった。
ルビオ(Maro Rubio)国務長官は声明で、CUPETの主要資産は過去に米国人所有者から不当に接収されたものだと指摘した。また、キューバ政府がエネルギー資源を政治的統制の手段として利用していると非難し、国民が燃料不足や停電に苦しむ一方で、政府関係者や軍・治安機関が優先的に資源を確保していると説明した。さらに、一部の燃料が転売されているとの見方も示し、制裁の正当性を強調した。
キューバ政府はコメントを出していないが、これまでも米国の経済制裁について「国民生活を犠牲にして政権転覆を狙う政策」と反発してきた。共産党は長年にわたり、米国による制裁こそが国内経済の停滞やエネルギー危機の主因であると主張している。
キューバは現在、深刻な燃料不足と電力危機に直面している。老朽化した発電設備や慢性的な投資不足に加え、原油調達の困難が重なり、全国各地で長時間停電が常態化している。公共交通機関や産業活動にも影響が広がり、国民生活への打撃は深刻さを増している。
今回の措置は米国が今月初めにキューバのディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領や政府高官らに制裁を科したのに続くものだ。トランプ政権は「民主化と経済改革の促進」を掲げて制裁を強化し、キューバ指導部への圧力を一段と強めている。ルビオ氏は「キューバ国民により大きな自由と機会をもたらすため、共産党政権の資金源を断つ」と述べ、今後も追加措置を講じる可能性を示唆した。
一方で、国連や人権団体からは、制裁の強化が一般市民の生活をさらに悪化させるとの懸念も上がっている。燃料や食料、医療サービスへのアクセスが制限される恐れがあり、経済的苦境に置かれた国民への影響を危惧する声は少なくない。対立が深まる中、両国間の対話再開の見通しは不透明で、キューバを巡る情勢は今後も国際社会の注目を集めそうだ。
