OPEC、2026年世界石油需要伸び見通しを下方修正
OPECは依然として需要は増加するとの見方を維持しているものの、地政学的リスクや世界経済の減速懸念を背景に、成長ペースは鈍化するとの判断を強めた。
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石油輸出国機構(OPEC)は11日に発表した月報で、2026年の世界石油需要の伸び見通しを日量97万バレルへと下方修正した。これは前回予測からの引き下げであり、2回連続の下方修正となる。OPECは依然として需要は増加するとの見方を維持しているものの、地政学的リスクや世界経済の減速懸念を背景に、成長ペースは鈍化するとの判断を強めた。
今回の下方修正は、特にイラン情勢の悪化が影響している。米イラン戦争によりホルムズ海峡の航行が制限され、原油輸送に混乱が生じたことで、エネルギー価格が上昇し、消費の抑制要因となっている。一方でOPECは、こうした影響は一時的で、2027年には需要が再び加速すると予測し、同年の見通しは上方修正した。
OPECはまた、世界経済について「全体として底堅さを維持している」とし、需要成長の基調自体は崩れていないとの認識を示した。ただし、先進国を中心に金融引き締めの影響が残るほか、中国や欧州の景気回復の遅れも需要を圧迫する要因となっている。こうした状況から、2026年の需要見通しは従来想定より慎重な水準に調整された。
一方、他の主要機関との見通しの差も浮き彫りとなった。国際エネルギー機関(IEA)や米エネルギー情報局(EIA)はEV普及やエネルギー効率改善の影響を重視し、OPECよりも弱い需要見通しを示している。これに対しOPECは、非OECD諸国の人口増加や経済成長を背景に、長期的な需要拡大は継続すると主張している。
供給面では、OPECプラスの増産方針や米国など非OPEC産油国の増産が市場バランスに影響を与えている。特に米国はシェールオイル増産により世界最大の輸出国となり、OPECの価格支配力を相対的に弱めているとの見方も出ている。市場では2026年にかけて供給過剰が生じる可能性と、地政学リスクによる供給逼迫の双方が意識されている。
OPECは今回の月報でも、「需給は概ね均衡に近い状態にある」との従来見解を維持した。ただし、地政学的緊張の長期化やホルムズ海峡の不安定化が続けば、エネルギー市場の不確実性はさらに高まる見通しである。今後の原油市場は需要の減速と供給リスクが交錯する不安定な局面が続くとみられる。
