動物由来のスキンケアに注目集まる、課題も、消費者に求められる視点
2026年のスキンケア市場では、スネイルムチンやPDRNなどの動物由来成分が美容トレンドとして存在感を保つ一方、動物由来原料を植物、発酵、組換え技術などによって代替しようとする動きも強まっている。
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現状(2026年8月時点)
2026年のスキンケア市場では、動物由来の成分を配合した製品と、そこから発想を得た「動物を使わない代替成分」の双方に注目が集まっている。代表例として挙げられるのが、カタツムリの分泌液を利用したスネイルムチン、魚由来DNAを利用するPDRN、動物由来コラーゲンなどであり、特に韓国発の美容トレンドを通じて一般消費者にも広く知られるようになった。
2026年現在の特徴は、単純に「動物由来成分が人気になった」というだけではない。従来は動物由来であることが機能性の根拠として語られる場面が多かったのに対し、現在では「その成分は本当に動物由来でなければならないのか」「同じ機能をバイオテクノロジーや植物由来原料で再現できないか」という問いが同時に強まっている。
実際、2026年のK-Beautyを扱った美容メディアでは、スネイルムチンやPDRNが主要なスキンケア成分として取り上げられている。PDRNについては、従来の魚由来原料に加えて、植物などを利用した「ヴィーガンPDRN」と呼ばれる代替技術も登場しており、動物由来成分と代替成分を比較する段階へ市場が移行していることが分かる。
ここで重要なのは、「動物由来」と「エシカルではない」を単純に同一視できない点である。化粧品原料には、食品産業などの副産物を有効利用するケースもあれば、動物そのものから意図的に採取するケースもあり、原料の調達方法、製造工程、動物福祉、輸送、精製、廃棄まで含めて評価しなければ、本当の環境・倫理負荷は判断できない。
一方、消費者側では、成分の由来を確認して商品を選ぶ行動が以前より一般化している。2024年に公表されたミレニアル世代とZ世代を対象とした研究では、クリーンビューティーを構成する主要な属性として「持続可能性」「安全性」「倫理性」が挙げられており、若い世代の化粧品選択では単なる美容効果以外の価値が重要になっていることが示されている。
この変化によって、化粧品メーカーには二つの異なる要求が同時に突きつけられている。一つは、従来の動物由来原料が持つ機能性や使用感を維持すること、もう一つは、動物福祉や環境負荷への配慮を強め、必要に応じて動物を使わない原料へ移行することである。
つまり2026年の動物由来スキンケアをめぐる問題は、「動物由来か、植物由来か」という単純な二択ではない。高い機能性、倫理性、安全性、環境負荷、価格、安定供給という複数の条件を同時に満たせる原料をどう設計するかという、化粧品産業全体の技術的・社会的課題として捉える必要がある。
なぜ今「動物由来(およびその代替)」に注目が集まっているのか
動物由来成分が改めて注目されている最大の理由の一つは、「生物が本来持っている機能」を化粧品に利用できるという分かりやすさにある。コラーゲン、ゼラチン、脂質、ペプチド、ムチン、DNA関連成分など、生物の組織や分泌物には皮膚との親和性を期待できる物質が多数存在する。
特にスネイルムチンは、この傾向を象徴する存在である。カタツムリの分泌液には、保湿や皮膚コンディショニングとの関連が研究されてきた成分が含まれており、現在では美容液やクリームなど幅広い製品に利用されている。2026年にも主要美容メディアがスネイルムチンを代表的なK-Beauty成分として取り上げており、その知名度は一過性のブームを超えている。
PDRNも同様である。魚由来のDNA断片を利用するPDRNは、もともと医療・美容医療の領域で研究・利用されてきた背景を持ち、現在では一般向けの美容液やマスクなどにも応用されている。ただし、医療用途で蓄積された研究結果を、そのまま家庭用化粧品の塗布製品の効果に置き換えることはできず、この点は今後の検証課題として注意する必要がある。
そして現在の大きな変化は、動物由来成分の人気が高まる一方で、その人気そのものが「代替技術」の需要を生み出していることである。消費者が「コラーゲンのような成分は欲しいが、動物由来ではないものがいい」「PDRNの機能性に関心はあるが、魚由来である必要はない」と考えるようになれば、メーカーには従来とは異なる原料開発が求められる。
この市場変化を後押ししているのが、クリーンビューティー、ヴィーガンコスメ、クルエルティフリー、サステナブルビューティーといった概念の広がりである。ただし、これらの言葉には法的に統一された定義がない場合もあり、名称だけで商品の安全性や環境性能を判断することはできない。
したがって、現在の動物由来スキンケア市場では、「動物由来成分の再評価」と「動物由来成分からの脱却」が同時進行していると見るのが適切である。これは一見矛盾しているように見えるが、実際には「生物由来の高機能な分子を利用したい」という需要と、「その調達方法はより倫理的・持続可能なものにしたい」という需要が合流した結果だと考えられる。
エシカル消費とZ世代・ミレニアル世代の台頭
こうした市場変化を理解するうえで重要なのが、Z世代とミレニアル世代の消費行動である。これらの世代は、商品そのものの性能だけでなく、原料の由来、製造過程、企業の姿勢、環境への影響などを含めて商品を評価する傾向が強く、化粧品業界にもその価値観が反映されている。
もちろん、Z世代やミレニアル世代の全員がエシカル商品を優先するわけではない。価格や効果を犠牲にしてまで倫理性を優先するとは限らず、むしろ「効果があり、価格も許容範囲で、そのうえ倫理的である」という複数条件を求める傾向が重要である。
2024年の研究でも、ミレニアル世代とZ世代におけるクリーンビューティーの重要属性として、持続可能性、安全性、倫理性が確認されている。このことは、エシカル消費が単なる企業広告上のキーワードではなく、実際の化粧品選択を考えるうえで無視できない要素になっていることを示唆する。
こうした消費者にとって、動物由来成分は二つの意味を持つ。一方では「自然」「生物由来」「伝統的な原料」という肯定的なイメージを持つ一方、他方では「動物福祉」「採取方法」「動物実験」といった倫理的な疑問を生じさせる可能性がある。
このためメーカーは、「動物由来だから高機能」という従来型の訴求だけでは十分ではなくなっている。原料がどこから来たのか、どのように生産されたのか、動物を傷つける工程があるのか、代替原料を選択する余地があるのかまで説明することが、ブランド価値の一部になっている。
グローバルな法規制と認証制度の普及
動物由来スキンケアをめぐる議論では、消費者意識だけでなく法規制の変化も重要である。特にEUは化粧品における動物実験を大きく制限しており、完成品の動物実験禁止は2004年、化粧品原料についても段階的な禁止が導入され、2013年には現在の枠組みに移行している。
ここで注意すべきなのは、「動物実験の禁止」と「動物由来原料の禁止」は別問題だということである。動物実験を行わずに製造された動物由来成分は存在するため、クルエルティフリーであることと、ヴィーガンであることは必ずしも同義ではない。
また、EUでは化粧品分野だけでなく、化学物質の安全性評価全体について動物実験への依存を減らす方向性が示されている。欧州委員会は2023年、化学物質の安全性評価における動物実験を段階的に減らし、最終的には動物を使わない規制体系を目指す方向性を示しており、代替試験法への移行は今後も重要な政策テーマになると考えられる。
このような規制環境の変化は、化粧品企業にとって単なる「倫理対応」ではない。将来的な原料開発、製品の国際展開、試験方法、サプライチェーン管理まで含めて、動物を使わない評価・製造技術を確保することが競争力につながる可能性がある。
一方、認証制度についても注意が必要である。「クルエルティフリー」「ヴィーガン」「オーガニック」などは、それぞれ意味する範囲が異なり、第三者認証の有無によって信頼性も変わる。消費者にとっては、パッケージ上の印象的な言葉だけで判断するのではなく、どの基準に基づいて表示されているのかを確認することが重要になる。
バイオテクノロジーの進化
そして現在、この市場を大きく変えつつあるのがバイオテクノロジーである。従来の化粧品原料開発では、植物や動物から目的物質を抽出・精製する方法が重要だったが、現在は微生物や細胞、発酵、遺伝子工学などを利用して、必要な分子をより精密に生産する方法が発展している。
代表的なのが組換え技術を利用したコラーゲン関連原料である。動物組織からコラーゲンを抽出する代わりに、コラーゲンの構造や機能に着目して、バイオテクノロジーによって動物を使わずに類似・関連タンパク質を生産する企業が登場している。こうした技術は、原料の品質を一定に保ちやすいことや、動物資源への依存を減らせる可能性がある。
同じ流れはPDRNにも見られる。従来の魚由来PDRNに対して、植物由来あるいはバイオ技術を利用した「動物を使わないPDRN」が開発され始めており、原料の出発点そのものを変える研究・製品開発が進んでいる。もっとも、「動物由来でない」という事実だけで従来品と同等の効果が保証されるわけではなく、分子構造、濃度、安定性、皮膚への送達方法などを個別に検証する必要がある。
ここに、2026年の動物由来スキンケアを考えるうえで最も重要な変化がある。これからの競争は「天然か人工か」ではなく、目的とする生物学的機能を、どの原料・どの製造方法で、どれだけ安全かつ安定的、持続可能に実現できるかという方向へ移っていく可能性が高い。
構造的メリット:動物由来・代替スキンケアがもたらす価値
動物由来のスキンケア原料が長く利用されてきた背景には、単なるマーケティング上のイメージではなく、生体由来物質が持つ化学的・生物学的特性がある。皮膚そのものが生体組織である以上、生物の組織や分泌物から得られる脂質、タンパク質、ペプチド、核酸関連物質などが、保湿、皮膜形成、コンディショニングなどの目的で利用されてきたことには一定の合理性がある。
代表的なのがコラーゲンである。コラーゲンは皮膚を含む結合組織の主要な構成成分であり、化粧品では主として保湿や皮膚表面のコンディショニングを目的に利用されてきた。ただし、化粧品として皮膚に塗布したコラーゲンが、そのまま皮膚内部のコラーゲンを補充するという意味ではないため、「コラーゲン配合」という表示から医療的な再生効果まで推測するのは適切ではない。
スネイルムチンも、生物由来原料の機能性を象徴する存在である。カタツムリの分泌液には糖タンパク質や糖類など複数の成分が含まれ、製品では主に保湿や肌を整える目的で利用されているため、単一の有効成分だけで効果を説明するのではなく、複合的な原料として評価する必要がある。
PDRNについても同様の注意が必要である。PDRNはポリデオキシリボヌクレオチドの略称で、魚由来などのDNA断片を利用した原料として知られるが、医療・美容医療で研究されてきたPDRNと、一般的な化粧品に配合されたPDRNでは、濃度、投与経路、製剤設計が異なるため、医療研究の結果をそのまま化粧品の効果として解釈することはできない。
それでも動物由来原料が注目されるのは、長年の研究や製品開発によって、一定の製造ノウハウが蓄積されているためである。原料の抽出、精製、安定化、配合、保存性などについて既存のサプライチェーンが形成されている場合、新しい原料をゼロから開発するよりも製品化しやすいという産業上のメリットも存在する。
一方、代替原料の最大の価値は、こうした機能性を維持しながら、動物への依存を減らせる可能性にある。植物、微生物、発酵、細胞培養、組換えタンパク質などの技術を利用すれば、従来は動物から採取していた物質を別の生産システムへ置き換えられる可能性がある。
つまり、動物由来原料と代替原料は必ずしも完全な対立関係にあるわけではない。むしろ既存原料の機能を分析し、その「何が価値なのか」を分子レベルまで分解することによって、動物を使わずに同等の機能を実現するという研究開発につながっている。
高い機能性と肌馴染み
動物由来原料が評価される理由として、「肌馴染み」が挙げられることが多い。ここでいう肌馴染みは医学的な意味で皮膚に完全に同化することを意味するものではなく、製剤として塗布した際の伸び、保湿感、皮膜感、べたつき、洗い流した後の感触など、消費者が体感する使用感を含む広い概念として理解する必要がある。
化粧品では、成分そのものの機能だけでなく、製剤全体の設計が使用感を左右する。例えば同じコラーゲンでも、分子量、加水分解の程度、配合濃度、他の保湿剤や油剤との組み合わせによって、使用時の感触や安定性は大きく変化する。
この点は代替原料にも当てはまる。「動物由来ではない」というだけで優れた代替品になるわけではない。動物由来原料と同じ名称を持っていても、分子構造や分子量、純度、溶解性、安定性が異なれば、実際の製剤性能や使用感は異なる可能性がある。
したがって、代替原料の評価では「何由来なのか」だけでなく、「何を再現できているのか」を確認する必要がある。例えば動物由来コラーゲンの代替を目指す場合、単に「植物由来コラーゲン」と宣伝するのではなく、そもそも植物には動物のコラーゲンと同一のコラーゲンが存在しないため、実際には植物由来の別のタンパク質や、バイオ技術によって生産されたコラーゲン様・組換えコラーゲンなど、具体的な物質の正体を確認することが重要になる。
このような情報の透明性は、今後さらに重要になると考えられる。原料の名称だけを見れば同じように見える製品でも、製造方法と分子レベルでの特徴を調べると、実際にはまったく異なる原料である可能性があるためだ。
一方、バイオテクノロジーによる代替原料には、品質の均一化というメリットも期待される。動物や植物から抽出する原料では、季節、飼育・栽培条件、原料個体差などが品質に影響する可能性があるが、一定の培養・発酵条件を管理できれば、より安定した原料生産につながる可能性がある。
これは化粧品メーカーにとって非常に重要な意味を持つ。スキンケア製品は長期間にわたって同じ品質の商品を供給する必要があるため、原料の再現性と安定供給は、消費者が直接感じる美容効果とは別の重要な競争力になる。
倫理的配慮(クルエルティフリー)
動物由来スキンケアをめぐる議論で最も注目されるのが、動物福祉の問題である。ただし、「動物由来原料」と「動物実験」は別々の問題であり、ここを混同すると議論が不正確になる。
クルエルティフリーとは一般に、製品や原料の開発過程で動物実験を行っていないことを意味する。一方、ヴィーガン化粧品は動物由来原料を使用しないことを意味するため、動物実験をしていない動物由来化粧品が存在する一方、動物由来原料を使用していなくても、その製品についてどのような試験が行われたかという別の問題が残る。
EUでは化粧品の動物実験に対する規制が世界的にも先行しており、完成した化粧品についての動物実験禁止に加え、化粧品原料についても段階的な禁止措置が導入されている。EUの制度は、動物実験を減らす方向へ産業全体を促す重要な政策的枠組みとなっている。
さらに、近年は動物実験の代替となる安全性評価技術の研究も進んでいる。培養細胞、人工的に再現した皮膚モデル、コンピューターモデルなどを利用する方法が発展しており、将来的には化粧品の安全性評価における動物への依存をさらに低減できる可能性がある。
この流れは企業側にも変化を促している。動物を使用しない原料だけでなく、動物を使用しない試験方法まで含めたサプライチェーンを構築できれば、クルエルティフリーというブランド価値をより明確に消費者へ提示できるからである。
ただし、ここにも一つ重要な落とし穴がある。企業が「動物実験をしていない」と表示していても、原料メーカーや第三者機関、海外市場向けの安全性評価まで含めると、どこまでを「動物実験なし」とするのかが複雑になる場合がある。
そのため、認証マークの有無だけを見るのではなく、認証団体がどの基準を採用しているのかを確認する必要がある。第三者認証は消費者が複雑なサプライチェーンを一から調べる負担を減らす一方、認証制度ごとに対象範囲や基準が異なるため、「マークがある=すべての倫理的問題が解決している」と考えるべきではない。
環境負荷の軽減
動物由来原料から代替原料へ移行するもう一つの理由が、環境負荷の低減である。動物性原料への依存を減らせれば、原料となる動物の飼育・捕獲・加工などに伴う環境負荷を削減できる可能性がある。
ただし、ここでは「植物由来だから環境に優しい」「バイオ原料だからサステナブル」と単純化しないことが重要である。環境負荷を正確に比較するには、原料生産だけでなく、肥料や飼料、エネルギー、水、輸送、精製、包装、廃棄など、製品のライフサイクル全体を評価する必要がある。
例えば、ある動物由来原料を別の植物由来原料に変更したとしても、その植物を大量に栽培するために広大な農地や大量の水を必要とすれば、必ずしも環境負荷が小さくなるとは限らない。逆に、廃棄される農業副産物を原料として利用できれば、既存資源を有効活用しながら新たな原料を生産することができる。
バイオテクノロジーにも同じ問題がある。発酵や細胞培養によって動物を使わずに原料を生産できても、培養設備を稼働させるために大量の電力を必要とするなら、その電力の発電方法によって環境負荷は大きく変わる。
このため、今後の化粧品業界では「動物由来か否か」だけではなく、ライフサイクルアセスメント(LCA)によって原料から製品廃棄までを評価する考え方が重要になる。環境負荷を数字で比較できるようになれば、広告上の「サステナブル」という表現ではなく、実際の環境性能に基づいた製品選択が可能になる。
ここまでを見ると、動物由来原料には高い機能性や既存の製造技術というメリットがあり、代替原料には動物福祉や資源利用の面でメリットがあることが分かる。しかし、代替技術が急速に発展しているからといって、すべての動物由来原料を直ちに置き換えられるわけではない。
むしろ現在の市場で重要なのは、「動物由来原料を使わないこと」そのものを目的にするのではなく、同等以上の機能、安全性、安定性、価格、環境性能を同時に実現できるかという点である。この条件を満たせなければ、代替原料は倫理的に魅力的であっても、消費者に長期的に選ばれる製品にはなりにくい。
直面している主な「課題」とジレンマ
動物由来成分から代替原料への転換が進んでいるとはいえ、現実の化粧品開発では「動物由来原料を別の原料に置き換えれば終わり」というほど単純ではない。化粧品に求められるのは、原料の倫理性だけではなく、安全性、安定性、保存性、使用感、機能性、供給量、価格、法規制への適合など、複数の条件を同時に満たすことだからである。
特に難しいのが、「同じ名前の成分」と「同じ機能を持つ成分」は必ずしも同じではないという問題である。例えば動物由来コラーゲンを別の原料に置き換える場合、単に「植物由来」「発酵由来」と表示できればよいのではなく、分子構造、分子量、純度、溶解性、安定性、皮膚表面での挙動などを確認しなければならない。
このため、代替原料の開発では「動物を使わない」という目標と、「従来品と同等以上の性能を維持する」という目標が衝突する場合がある。倫理的には望ましい代替原料であっても、性能が大きく低下すれば消費者に受け入れられにくく、企業側も大規模な切り替えを行いにくい。
さらに、代替技術が完成したとしても、それを大量生産できるとは限らない。研究室レベルでは優れた結果が得られても、工場規模に拡大した際に収率が低下したり、精製コストが上昇したり、製品ごとの品質を均一化することが難しくなったりするケースがある。
したがって、現在の代替原料開発では「技術的に作れるか」だけでなく、「何百万、何千万個という製品に安定して使えるか」という工業化の問題が非常に重要になっている。
① 代替困難性と技術的限界
動物由来原料の代替で最初に直面するのは、そもそも「何を代替するのか」という問題である。動物由来原料には単一の分子だけではなく、複数のタンパク質、ペプチド、脂質、糖類などが複雑に組み合わさっている場合があり、その全体を別の原料で完全に再現することは容易ではない。
特に天然由来原料では、メーカーが機能性の中心と考えている物質以外にも、製剤の粘度、保湿感、伸び、皮膜形成、安定性などに影響する成分が含まれている可能性がある。したがって、主要成分だけを人工的に再現しても、最終製品の使用感まで完全に同じになるとは限らない。
この問題は「植物由来コラーゲン」という表現を考えると分かりやすい。植物には動物と同じ意味でのコラーゲンが存在するわけではないため、植物由来原料をコラーゲンの代替として使う場合、それが本当にコラーゲンそのものなのか、それとも保湿や皮膜形成など一部の機能を代替する別物質なのかを区別する必要がある。
一方、組換えタンパク質や発酵技術を利用すれば、動物から抽出することなく、特定のタンパク質や類似物質を生産することが可能になる。この技術は動物由来原料の代替に大きな可能性を持つが、培養条件、精製工程、収率、設備投資などの課題が残っている。
さらに、代替原料では「機能の再現性」も重要になる。原料の分子構造が少し違うだけでも、化粧品の粘度や安定性、皮膚表面での挙動が変化する可能性があるため、従来品と同じ配合をそのまま使えるとは限らない。
近年は、こうした複雑な配合を科学的に最適化するため、コンピューターモデリングやデータ解析を利用する研究も進んでいる。2026年に公開された研究では、従来の化粧品原料を天然・持続可能な原料へ置き換える際、性能とコストを維持するために科学的モデリングを利用して最適な原料組み合わせを探索する手法が提案されている。
つまり、今後の代替技術の進歩は、単一原料の開発だけではなく、「複数の原料を組み合わせて従来製品の性能を再現する」という方向へ進む可能性が高い。
② 「グリーンウォッシュ(見せかけの環境配慮)」の懸念
代替原料市場が拡大すると、必然的に問題になるのがグリーンウォッシュである。グリーンウォッシュとは、実際の環境負荷がそれほど改善されていないにもかかわらず、広告や表示によって環境に優しい企業・製品であるかのように見せる行為を指す。
化粧品は特にこの問題が起こりやすい分野である。「ナチュラル」「クリーン」「サステナブル」「エコ」「植物由来」「ヴィーガン」など、消費者に好印象を与える言葉が数多く使われる一方、それぞれが同じ意味を持つわけではない。
例えば、ある原料が「植物由来」であっても、その植物を大量栽培するために土地や水を大量に使用している可能性がある。また、遠距離輸送や高度な精製工程、大量のエネルギー消費が必要であれば、動物由来原料より必ず環境負荷が小さいとは限らない。
この問題については、欧州でも環境表示の信頼性を高めるための制度整備が進められてきた。EUでは企業が環境面の主張を行う場合、その根拠を明確にすることを目的としたGreen Claims Directive(環境訴求指令/グリーンクレーム指令)が提案され、ライフサイクルを考慮した評価などが議論されている。
ただし、この法制度も2025年には交渉が停止するなど、政策的な不確実性を抱えている。EUが進めるグリーンウォッシュ対策そのものは重要性を増しているものの、企業負担とのバランスをどう取るかという問題も同時に浮上している。
化粧品の場合、特に注意すべきなのは「部分的に環境負荷を削減したこと」と「製品全体が環境に優しいこと」を混同しないことである。例えば動物由来成分を植物由来成分へ変更したとしても、容器が大量のプラスチックで構成され、輸送距離が長く、製造時のエネルギー消費が大きければ、製品全体としての環境負荷が大幅に低下したとは限らない。
したがって、今後求められるのは「植物由来」「動物不使用」といった単一の特徴を宣伝することではなく、原料調達から製造、輸送、使用、廃棄までを含めたライフサイクル全体を評価することである。
この観点から見ると、動物由来原料も必ずしも一律に環境負荷が高いとは言えない。例えば他産業から発生する副産物を化粧品原料として有効利用している場合、新たな資源を生産するよりも廃棄物削減につながる可能性があるからである。
重要なのは「動物由来か否か」ではなく、どのような原料を、どのような方法で調達し、どれだけの資源を使って製品化しているのかを比較することである。
③ アレルギーリスクと使用感のトレードオフ
動物由来か植物由来かを問わず、天然由来成分だから安全とは限らない。生物由来の原料にはタンパク質やその他の生理活性物質が含まれる場合があり、体質によってはアレルギー反応や皮膚刺激が起こる可能性がある。
米国食品医薬品局(FDA)も、化粧品は人によってアレルギー反応を引き起こす可能性があり、代表的な症状としてかゆみ、発赤、発疹などの接触皮膚炎を挙げている。また、化粧品に含まれる成分については、既知のアレルゲンを避けるために成分表示を確認することが重要だとしている。
ここで重要なのは、アレルギーリスクが「動物由来成分だけの問題」ではないことである。植物由来成分、天然香料、防腐剤、着色料など、さまざまな化粧品成分が人によって刺激やアレルギーの原因になり得る。
したがって、「ヴィーガン」「植物由来」「天然」という表示を、安全性そのものを保証する言葉として受け取るのは適切ではない。FDAも「hypoallergenic(低アレルギー性)」などの表現について、米国ではその使用に連邦政府による統一された定義がないことを説明している。
さらに、代替原料への切り替えでは「安全性」と「使用感」の両立も課題になる。例えば従来の動物由来原料が優れた保湿感や皮膜形成能力を持っていた場合、それを別原料へ変更すると、同じ濃度でもべたつき、伸び、吸収感、仕上がりなどが変わる可能性がある。
消費者にとっては、倫理性が高いだけでは購入理由にならない場合も多い。毎日使用するスキンケアでは、「肌に合う」「使いやすい」「効果を実感できる」「価格が許容範囲」という条件が重要であり、倫理的価値が高くても使用感が大きく劣れば継続購入につながりにくい。
このためメーカーにとっての理想は、「動物を使わない」「安全性が高い」「従来品と同等以上の使用感」「十分な機能性」という複数条件を同時に実現することである。しかし、この条件をすべて満たすには高度な処方設計と検証が必要になる。
④ 経済的・コスト面の負担
代替原料が普及するうえで最後に立ちはだかるのがコストである。新しいバイオ原料を開発するには研究開発費が必要であり、さらに培養設備、精製設備、品質管理システムなどの初期投資も発生する。
従来から大量生産されている動物由来原料と、まだ生産規模が小さい新規代替原料を比較すれば、後者の方が高価になりやすい場合がある。特に発酵や細胞培養を利用した原料では、研究室レベルでは生産できても、商業規模で十分な収率を確保するまでに時間と資本が必要になる。
ここには「環境に優しい商品ほど高くなりやすい」というジレンマが存在する。高価格になれば、エシカル消費に関心のある一部の消費者には受け入れられても、一般消費者まで広く普及させることが難しくなる。
逆に、価格を下げるために生産工程を簡略化すれば、原料の純度や安定性、品質管理などに影響する可能性がある。そのため企業は、倫理性、環境性能、品質、価格の間で最適なバランスを探る必要がある。
また、原料コストだけでなく、認証取得やサプライチェーンの監査、トレーサビリティーの構築にも費用がかかる。倫理的・環境的な基準を厳しく設定するほど、原料メーカーや化粧品メーカーの管理コストが上昇する可能性がある。
一方で、代替技術が普及すれば規模の経済が働き、コストが低下する可能性もある。バイオ原料の生産量が増え、製造設備が大型化し、精製技術が効率化されれば、現在は高価な原料でも将来的には一般的な化粧品に利用できる価格帯へ近づく可能性がある。
つまり、現在の価格差だけを見て代替技術の経済性を判断するのも適切ではない。重要なのは、研究開発段階から量産段階へ移行したときに、どの程度までコストを下げられるかという長期的な視点である。
「動物由来だから悪い」「代替だから正しい」ではない
ここまでの課題を整理すると、動物由来スキンケアをめぐる議論には明確なジレンマが存在する。動物由来原料には、長年蓄積された製造技術、機能性、使用感、供給網という強みがある一方、動物福祉や資源利用への懸念がある。
一方、代替原料には動物への依存を減らせる可能性や、バイオテクノロジーによる品質管理というメリットがあるが、技術的な限界、量産性、価格、安全性、使用感などの課題が残されている。
そのため、2026年時点で最も現実的な見方は、「すべての動物由来成分を直ちに排除する」というものでも、「天然・動物由来だから優れている」というものでもない。原料ごとに機能、調達方法、動物福祉、環境負荷、安全性、価格を比較し、より合理的な選択を行うことが重要である。
そして、この比較を難しくしているのが、消費者から見えないサプライチェーンの存在である。原料の由来や製造工程が不透明なまま「サステナブル」「クリーン」「エシカル」という言葉だけが先行すれば、消費者は本当に環境・倫理面で優れた商品を見分けることができない。
この問題を解決するには、企業による情報開示と第三者による検証が不可欠になる。特に今後は、原料の由来だけでなく、製造時のエネルギー使用量、水使用量、廃棄物、輸送、包装まで含めた情報をどこまで透明化できるかが重要な競争要素になるだろう。
動物由来スキンケアの未来は、単純な「動物由来から動物不使用へ」という一直線の移行ではない。むしろ、動物由来原料が持つ機能を科学的に解析し、その機能をより効率的かつ倫理的に再現する技術を開発しながら、必要なものについては既存原料も合理的に利用するという、複数の選択肢が併存する方向へ進むと考えられる。
今後の展望
ここまで見てきたように、2026年の動物由来スキンケア市場では、動物由来原料そのものの人気と、動物を使わずに同様の機能を実現しようとする代替技術が同時に拡大している。この二つは必ずしも相反するものではなく、むしろ動物由来原料の機能を科学的に分析することが、より高度な代替原料の開発を促す関係にある。
実際、2026年8月時点でもスネイルムチンやPDRNはK-Beautyを代表する成分として美容市場で存在感を維持している。Vogueが2026年8月にまとめたK-Beautyの主要成分でも、スネイルムチンとPDRNが引き続き主要な成分として挙げられており、単なる一時的な流行というより、機能性を訴求できる成分として定着しつつあることがうかがえる。
ただし、今後の市場では「動物由来であること」そのものが商品の競争力になるとは限らない。消費者の関心が原料の由来だけでなく、製造工程、環境負荷、安全性、動物福祉、価格、企業の透明性へ広がるにつれて、メーカーにはより複合的な説明責任が求められるからである。
特に注目されるのが、バイオテクノロジーを利用した代替原料の発展である。発酵、組換えタンパク質、細胞培養などの技術が進めば、これまで動物や植物から抽出していた物質を、より管理された環境で生産できる可能性がある。
この方向性が進めば、化粧品産業における「天然由来」という概念そのものも変化する可能性がある。従来は自然界から直接採取した原料が「天然」として高く評価されてきたが、今後は自然界に存在する分子や機能を、バイオ技術によって効率的に再現することにも価値が認められるようになると考えられる。
重要なのは、代替技術が「人工だから自然より劣る」という単純な考え方から脱却することである。製造方法が人工的であっても、資源使用量を抑え、品質を安定させ、動物への依存を減らし、なおかつ安全性と機能性を確保できるのであれば、持続可能な化粧品原料として十分な意味を持つ。
一方、動物由来原料についても、今後すべてが排除されるとは考えにくい。すでに大規模な供給網が確立している原料や、代替が技術的に難しい原料については、調達方法を改善しながら継続的に利用するという選択肢が残る可能性が高い。
この場合に重要になるのが、トレーサビリティーである。原料がどの国で、どのような方法で生産され、どのような加工を経て化粧品に使用されたのかを追跡できれば、消費者や企業が倫理面・環境面を含めて判断しやすくなる。
さらに、認証制度の役割も大きくなると考えられる。クルエルティフリー、ヴィーガン、オーガニック、サステナブルなどの表示が乱立するなかで、それぞれの基準を明確化し、第三者による検証を強化することが、消費者の信頼を維持するうえで重要になる。
今後の市場では、「何を使っているか」だけでなく、「なぜその原料を使っているのか」を説明できる企業が強くなる可能性がある。動物由来原料を使うのであれば、その必要性や調達方法を説明し、代替原料を使うのであれば、その性能や環境上のメリットを具体的に示すことが求められる。
科学的エビデンスに基づく評価へ
今後、動物由来・代替スキンケアを評価する際には、広告やSNSで語られるイメージよりも、科学的エビデンスの重要性がさらに高まると考えられる。特にPDRNのように医療・美容医療で研究されてきた成分が一般化粧品へ広がる場合、「成分そのものについての研究」と「その成分を含む化粧品を皮膚に塗布した場合の効果」を明確に区別する必要がある。
これはスネイルムチンなどにも当てはまる。原料に含まれる成分の存在や生物学的作用が研究されていることと、特定の化粧品が消費者に大きな美容効果をもたらすことは同じではない。
したがって、今後は「成分の研究」「製剤としての研究」「ヒトを対象とした臨床的評価」を段階的に区別して考えることが重要になる。こうした情報が整備されれば、流行している成分だから購入するという消費行動から、自分の肌状態や目的に合った製品を科学的根拠に基づいて選択する行動へ移行する可能性がある。
また、安全性評価についても、動物実験に依存しない方法の発展が期待される。FDAは化粧品のアレルゲンについて、動物を使わない試験方法の開発・研究も進めていることを示しており、今後は細胞モデルやその他の非動物試験法の重要性がさらに高まる可能性がある。
ただし、動物を使わない試験法がすべての安全性評価を完全に代替できる段階に到達しているわけではない。どの試験方法がどのような毒性やアレルギー反応を予測できるのかを検証し、複数の方法を組み合わせて信頼性を高めることが必要になる。
この意味で、動物由来原料の問題は単なる「倫理問題」ではない。原料開発、安全性評価、製造技術、環境評価、規制、消費者教育という複数の科学・産業分野が交差するテーマになっている。
「サステナブル」の基準をどう作るか
今後の最大の課題の一つは、「何をもってサステナブルとするのか」という基準を明確にすることである。動物由来原料を使わないことだけを基準にすれば、別の環境負荷を見落とす可能性がある。
逆に、動物由来原料であっても、副産物の有効利用や資源循環によって環境負荷を抑えているのであれば、一概に環境面で劣るとは言えない。したがって、原料の出発点だけではなく、製品のライフサイクル全体を見る必要がある。
ここで重要になるのがライフサイクルアセスメント(LCA)的な考え方である。原料生産、加工、製造、包装、輸送、使用、廃棄という一連の流れを評価すれば、単純な「動物由来/植物由来/合成」という分類よりも実態に近い比較が可能になる。
これは企業にとって負担になる一方、長期的には市場の透明性を高める効果も期待できる。環境性能を数値や客観的基準で比較できるようになれば、「環境に優しい」という曖昧な広告表現だけで商品を選ぶ必要がなくなるからである。
さらに、企業が環境負荷や原料調達について積極的に情報を公開することで、消費者との信頼関係を構築することも可能になる。逆に、根拠が不明確な「エコ」「グリーン」「クリーン」といった表現だけを強調すれば、グリーンウォッシュへの疑念を招く可能性がある。
消費者に求められる視点
消費者側にも、原料表示を一面的に判断しない姿勢が求められる。「動物由来だから危険」「植物由来だから安全」「ヴィーガンだから環境に優しい」といった判断はいずれも単純化しすぎている。
特に安全性については、天然由来であることと低刺激であることは同義ではない。FDAも化粧品によってアレルギー反応が生じる可能性を説明しており、成分表示を確認し、自分が反応する成分を避けることの重要性を指摘している。
また、「低刺激」「敏感肌向け」「hypoallergenic(ハイポアレルゲニック)」といった表現についても、言葉だけで安全性を保証されたものと考えるべきではない。米国FDAは「hypoallergenic(ハイポアレルゲニック)」について連邦政府による統一された定義が存在しないと説明しており、表示だけで製品の安全性を判断することには限界がある。
消費者にとって最も現実的なのは、成分の由来だけでなく、製品全体を見ることである。具体的には、成分表示、使用目的、企業による安全性情報、第三者認証、原料の由来、価格、必要性などを総合的に判断することが望ましい。
まとめ
2026年のスキンケア市場では、スネイルムチンやPDRNなどの動物由来成分が美容トレンドとして存在感を保つ一方、動物由来原料を植物、発酵、組換え技術などによって代替しようとする動きも強まっている。これは「動物由来成分の人気が終わる」という現象ではなく、生物由来の高機能成分を利用したいという需要と、動物福祉・環境負荷を抑えたいという需要が同時に高まっている結果と捉えるべきである。
動物由来原料には、長年蓄積された製造技術、安定した供給網、機能性、使用感などのメリットがある。一方で、動物福祉、原料調達の透明性、資源利用、消費者の倫理意識といった問題を抱えており、すべての動物由来原料を無条件に肯定することはできない。
代替原料には、動物への依存を減らし、品質を管理しやすくできる可能性がある。しかし、技術的な代替困難性、量産性、価格、安全性、使用感、環境負荷といった問題が残っており、「代替すれば必ずより良い」というわけでもない。
したがって、今後のスキンケア市場で重要になるのは、動物由来か、動物由来でないかという二択ではなく、どの原料が最も合理的に機能性・安全性・倫理性・環境性・経済性を両立できるかという評価である。
特にバイオテクノロジーが進歩すれば、動物から直接採取しなければ得られなかった成分や機能を、微生物や発酵、組換え技術などによって再現できる可能性が高まる。そうなれば、将来的には「動物由来成分を使うか、使わないか」という議論そのものが相対的に小さくなり、「どの製造方法が最も効率的で、安全で、環境負荷が小さいのか」という議論へ移行する可能性がある。
一方で、動物由来原料が完全に消えるとは考えにくい。代替が難しい原料や、他産業の副産物を有効利用できる原料については、適切な調達・管理のもとで利用を続ける合理性も存在する。
最終的に求められるのは、「動物由来」という言葉だけで善悪を決めることでも、「植物由来」「ヴィーガン」「サステナブル」という言葉だけを信頼することでもない。原料の由来、製造工程、科学的根拠、安全性、動物福祉、環境負荷、価格という複数の要素を横断して評価することが、これからのスキンケア市場には必要になる。
動物由来スキンケアをめぐる2026年の動きは、化粧品業界が「何を配合するか」だけでなく、「どのような方法で価値を生み出すか」を問われる段階に入ったことを示している。動物由来原料と代替原料は対立する二つの選択肢ではなく、より安全で、持続可能で、科学的根拠のある化粧品を実現するための競争と共存の関係へ向かっていると評価できる。
参考・引用リスト
- U.S. Food and Drug Administration(FDA)
Allergens in Cosmetics — 化粧品によるアレルギー反応、代表的なアレルゲン、成分表示、パッチテストなどについての公的情報。 - U.S. Food and Drug Administration(FDA)
“Hypoallergenic” Cosmetics — 「hypoallergenic」という表示に連邦政府による統一的な定義がないことなどを解説した資料。 - European Commission
Ban on animal testing — EUにおける化粧品の動物実験禁止制度と、その規制枠組みに関する公式資料。 - Vogue
From Snail Mucin to PDRN, 10 Ingredients That Define K-Beauty — 2026年8月時点のK-Beautyにおけるスネイルムチン、PDRNなどの成分トレンドに関する専門家取材記事。 - Scientific research on clean beauty and younger consumers
Z世代・ミレニアル世代におけるクリーンビューティー、持続可能性、倫理性、安全性に関する消費者研究。 - 欧州連合の化粧品・化学物質規制関連資料
化粧品成分の安全性、動物試験代替、化学物質規制などに関するEUの公式資料。 - 化粧品・バイオテクノロジー関連研究資料
組換えタンパク質、発酵、バイオ由来原料、動物由来原料の代替技術に関する研究・技術資料。 - 化粧品業界・美容メディア資料
PDRN、スネイルムチン、ヴィーガン原料、クリーンビューティーなどの市場動向および製品トレンドに関する資料。
