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メキシコ麻薬カルテル、車爆弾や爆発物の使用増加、治安悪化と米国との緊張に懸念

こうした攻撃の背景には、メキシコ国内で勢力争いを続けるカルテルの戦術変化がある。
2026年8月31日/メキシコ、北部サカテカス州、自動車爆弾が爆発した現場(AP通信)

メキシコで麻薬カルテルによる車爆弾や爆発物を搭載したドローン、即席爆発装置(IED)の使用が増えている。最近では警察施設などを狙った爆破事件が相次ぐなど、カルテルの武装化と戦術の高度化が、メキシコの治安当局に新たな課題を突き付けている。特にトランプ米政権がカルテルへの軍事的対応を繰り返し示していることから、両国関係への影響も懸念されている。

直近では8月30日夜、中部サカテカス州オホカリエンテで警察署の前に置かれた車が爆発し、11人が負傷した。爆発には約200キログラムの爆薬が使われ、60軒以上の住宅が被害を受けたとされる。州当局によると、サカテカス州では2026年だけで爆発物を使った攻撃が23件発生し、そのうち6件は爆薬を積んだ車やオートバイによるものだった。

こうした攻撃の背景には、メキシコ国内で勢力争いを続けるカルテルの戦術変化がある。特に麻薬組織「ハリスコ新世代(CJNG)」は勢力拡大に伴い、爆発物を利用した攻撃を増やしているとされ、ミチョアカン州などでも同組織による爆破事件が発生している。爆発物は警察や軍の車両を攻撃するだけでなく、住民に恐怖を与え、ライバル組織や政府に対して自らの攻撃能力を誇示する手段にもなっている。

メキシコで車爆弾そのものは新しい手法ではない。1990年代にも犯罪組織による使用例があり、近年ではIEDやドローンを利用した攻撃が目立つようになった。メキシコ軍によると、2023年には道路脇に仕掛けられた爆発物やドローン搭載型、車爆弾などを含む即席爆発装置が556個確認され、2018年末以降の累計は2000個を超えた。

一方、シェインバウム政権はカルテルの暴力をテロリズムと位置付けることには慎重だ。カルテルは政治的・宗教的な理念ではなく、麻薬取引や縄張り争いなど経済的利益を目的としているため、テロ対策をそのまま適用すれば問題を単純化する恐れがあるとの指摘もある。米国はすでに複数のカルテルを外国テロ組織に指定しており、両国の対応の違いが政治問題化する可能性がある。

今回の爆破事件はメキシコのカルテルが従来の銃撃や誘拐だけでなく、より軍事的な手段を取り入れつつあることを示す事例となった。爆発物の使用拡大が続けば、市民を巻き込む被害が増えるだけでなく、メキシコ政府の治安政策や米国との協力関係にも大きな影響を及ぼす可能性がある。

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