米国務省、ニカラグア政府関係者に制裁発動、弾圧続く中
ニカラグアでは2018年の反政府デモ以降、政権による反対派への弾圧が強まっている。
と妻のムリジョ副大統領(Getty-Images/AFP通信).jpg)
米国政府は8日、中米ニカラグアの政府関係者およびその家族100人以上に対し、渡航禁止措置を発動したと発表した。対象者は米国への入国が制限される。米政府は独裁者オルテガ(Daniel Ortega)大統領による人権侵害や民主主義の抑圧に対し、圧力を強める姿勢を鮮明にした。
ルビオ(Maro Rubio)国務長官は声明で、今回の措置の背景として、先月死亡した先住民指導者ブルックリン・リベラ(Brooklyn Rivera、73歳)氏の事例を挙げた。リベラ氏はミスキート族出身の著名な活動家で、長年にわたり先住民の権利擁護に取り組んできた人物である。2023年に当局によって拘束され、その後も正式な裁判手続きが進まないまま収監されていた。5月に収監先で亡くなったことが明らかになり、国内外から強い批判が起きていた。
ニカラグア政府はリベラ氏の死因について、新型コロナウイルス感染後の合併症によるものだと説明している。しかし国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)や人権団体は、拘束の経緯や収容環境に重大な問題があった可能性を指摘し、公正かつ独立した調査を求めている。
ルビオ氏は声明で、「リベラ氏のように自由なニカラグアを望む国民と米国は連帯する」と述べ、オルテガ政権を厳しく非難した。今回の措置によって、米国への入国を禁止されたニカラグア政府関係者と家族の総数は2350人を超えたという。新たに制裁対象となった個人名は公表されていない。
ニカラグアでは2018年の反政府デモ以降、政権による反対派への弾圧が強まっている。野党関係者やジャーナリスト、宗教指導者、市民活動家らが相次いで拘束され、多数の非政府組織が活動停止に追い込まれた。政府は反対派の国籍剝奪や国外追放も進めており、多くの市民が亡命を余儀なくされている。
米国は近年、オルテガ政権に対する制裁を段階的に強化してきた。今年4月には政権中枢に近い人物や大統領一家の関係者に対する追加制裁も実施している。今回の渡航禁止措置はその延長線上に位置づけられ、人権侵害への責任追及を継続する姿勢を示した形だ。
一方、ニカラグア政府は米国による制裁を内政干渉と非難し、両国関係の改善は見通せない状況が続いている。専門家は今回の措置が政権に対する国際的圧力を高める効果を持つ一方、国内の政治状況を直ちに変える可能性は限定的だと指摘している。ニカラグアをめぐる人権問題は今後も国際社会の重要な関心事項となりそうだ。
と妻のムリジョ副大統領(ロイター通信).jpg)
