国連専門家、ニカラグア指導部に「人道に対する罪」の疑い、反体制派弾圧と国籍剝奪を指摘
専門家グループは2018年4月以降、同国の人権侵害を調査してきた。
と妻のムリジョ副大統領(Randall-Campos/ロイター通信)-scaled.jpg)
国連のニカラグア人権専門家グループは28日、同国のオルテガ(Daniel Ortega)大統領と妻のムリジョ(Rosario Murillo)共同大統領が独裁体制を築き、反体制派を排除するための弾圧を続けているとして、「人道に対する罪」が行われたと信じるに足る合理的な証拠があると発表した。専門家らは、夫妻が権力を一族で恒久的に維持することを目指していると批判した。
専門家グループは2018年4月以降、同国の人権侵害を調査してきた。政府は同年の大規模な反政府デモを武力で弾圧し、数百人を殺害したとされる。その後も当局は反体制派や宗教指導者、ジャーナリストらを恣意的に拘束し、拷問や政治的迫害、国外追放を進めてきた。
専門家によると、政府は2018年以降、宗教団体を中心に5000以上のNGOや組織を閉鎖し、数千人が国外への退避を余儀なくされた。2021年の大統領選挙では、オルテガ氏に対抗し得る候補者が事前に逮捕され、選挙の正当性に国際社会から疑問が呈された。米国はオルテガ氏の大統領としての正当性を認めていない。
さらに、2023年2月以降、政府が政治的反対派とみなした少なくとも452人を「反逆者」と認定し、国籍を剝奪したという。対象には与党・サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)の元幹部や元閣僚、2021年の大統領選候補者全員が含まれる。
専門家は警察、裁判所、刑務所もFSLNの支配下に置かれ、国内に独立系メディアや反対勢力はほとんど残っていないと指摘した。
これに対し、ニカラグア政府は国連人権理事会を「時代遅れで干渉的」と非難し、人権問題を政治的攻撃に利用していると反発した。専門家グループは無国籍者の権利に関する国際条約違反をめぐり、各国に国際司法裁判所(ICJ)への提訴を促している。
長期化する政治弾圧をめぐり、国際社会の対応が問われている。
