麻薬カルテルに挑んだメキシコ市長の暗殺から1年、後継者の市長も厳重警護、街に広がる恐怖と政治対立
2025年11月、死者を追悼する「死者の日」の祝祭でにぎわう市中心部の広場で、マンソ氏は銃撃され死亡した。
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メキシコ中西部ミチョアカン州ウルアパンで、麻薬カルテルに正面から対抗していたマンソ(Carlos Manzo)前市長が暗殺されてから約1年が経過した。
後継者となったパートナーのグレシア・キロス(Grecia Quiroz)市長は、装甲車3台と軍用車両2台に護衛され、約60人の連邦政府警護要員による24時間体制の警備を受けている。マンソ氏の死は地域社会に深い傷を残し、治安悪化と政治的対立が続いている。
マンソ氏は白いソンブレロ(つば広帽)をトレードマークに、犯罪組織への強硬姿勢を公然と打ち出していた。自ら警察のパトロールや捜索、逮捕活動を指揮し、犯罪者が逮捕に抵抗した場合には武力行使も認めると警察に指示していた。さらに、与党・国家再生運動(MORENA)を批判し、犯罪組織と政治権力の癒着にも異議を唱えていた。
2025年11月、死者を追悼する「死者の日」の祝祭でにぎわう市中心部の広場で、マンソ氏は銃撃され死亡した。犯行の背景をめぐっては、麻薬カルテルによる組織的な関与に加え、政府関係者とのつながりも疑われている。捜査当局はこれまでにボディーガードや市関係者ら34人を逮捕したが、事件の全容解明には至っていない。
後継者のキロス市長は、前市長の闘いを引き継ぐと表明する一方、自身と家族の安全に強い不安を抱えている。市内では殺人や誘拐、商店への襲撃が相次ぎ、10月だけで17件の殺人や8件の銃撃事件などが記録された。州政府は治安強化のため警察官ら200人を追加派遣した。
メキシコでは現職市長の暗殺が相次ぎ、地方政治が犯罪組織の標的となっている。マンソ氏の墓や暗殺現場には花や白い帽子が供えられ、その存在は今も市民の記憶に残る。カルテルに抵抗した地方指導者の死は、国家による治安維持の限界を改めて浮き彫りにしている。
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