米領プエルトリコ知事、電力・水不足の解消を約束
プエルトリコでは2017年に大型ハリケーン・マリアが直撃し、送電網が壊滅的な被害を受けた。
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米領プエルトリコのゴンザレス(Jenniffer González)知事は21日、慢性的な停電と断水に苦しむ島内のインフラ再建を加速させる方針を表明した。
ゴンザレス氏は首都サンフアンで施政方針演説を行い、老朽化した電力網と水道設備の改修を最優先課題に掲げ、「より多くの発電能力を確保することで停電を減らす」と強調した。
プエルトリコでは2017年に大型ハリケーン・マリアが直撃し、送電網が壊滅的な被害を受けた。その後も設備更新の遅れや財政難が続き、各地で停電が頻発している。近年は猛暑による電力需要増加も重なり、市民生活や企業活動への影響が深刻化していた。
政府は追加の発電能力3000メガワット分を導入する入札手続きを進めており、今夏終盤までに契約先を決定する見通しだ。ゴンザレス氏は既存発電所の修理や近代化を通じて、今後数カ月で約1000メガワットを新たに電力系統へ加える計画も明らかにした。
加えて、電気自動車大手テスラ製の蓄電池設備の設置も始まった。連邦資金7億ドル超を活用し、総蓄電容量430メガワット規模のシステムを整備することで、停電時のバックアップ機能を強化する狙いがある。また、需要が急増した際に稼働する244メガワット分の発電ユニットも到着したという。
一方で、ゴンザレス氏のエネルギー政策には批判も出ている。低所得者向けの屋根置き型太陽光発電と蓄電池導入に充てられる予定だった連邦資金3億5000万ドルを、老朽化した送電網の補修へ振り向ける決定を支持したためだ。市民団体などは、災害時にも各家庭で電力を確保できる分散型電源の整備が後退すると反発している。
ゴンザレス氏は演説の中で、発電所の燃料を天然ガスへ転換し、電気料金引き下げを目指す考えも示した。米エネルギー情報局によると、プエルトリコの電気料金は全米でも高水準にある。ゴンザレス氏は送配電を担う民間会社ルマ・エナジーとの契約見直しにも言及し、停電が続く現状への不満を踏まえ、契約解除の公約を維持する姿勢を示した。
さらに、水道インフラについても「深刻な問題」があると認め、各地で長期間の断水が発生していると説明した。復旧工事は始まっているとして住民に忍耐を求めたが、野党は「市民の怒りと不満は正当だ」と批判している。電力公社の90億ドル超の債務問題も未解決で、インフラ再建への道のりはなお険しい。
