◎夏時間は夏の一定期間に限り、時計を1時間進める制度である。
朝日を浴びる女性(Getty Images)

メキシコ上院は26日、夏時間を廃止する法案を賛成多数で可決し、年に2回時計の針を1時間動かす慣習に終止符を打った。

報道によると、米国境沿いの一部の市や町は対象外で、法律施行後も夏時間を維持するという。

上院は賛成59ー反対25でこの法案を承認し、12人が棄権した。

反対派は日光を浴びる時間が少なくなると、子供の成長や大人の健康に影響が出ると指摘している。

賛成派は夏時間があろうとなかろうと、早寝早起きを心掛け、日光を浴びることを意識すれば問題ないと主張している。

下院はすでに法案を承認している。地元メディアによると、オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領はまもなく法案に署名する予定。

保健省は以前、「メキシコは神の時計、つまり標準時に戻るべきだ」と述べ、時計の針を1時間早めたり戻したりすることは国民の健康に悪影響を与えると主張していた。

夏時間は夏の一定期間に限り、時計を1時間進める制度であり、多くの欧米諸国が導入している。

その効果と目的は▽明るい時間を有効活動できるため照明の節約になる▽日の出とともに起きると健康に良い▽交通事故や犯罪発生率の低下を期待できる▽活動時間が増えることで経済の活性化を期待できる▽午後の日照時間が増えるで余暇が充実するなど。

経済学者によると、夏時間導入によるエネルギー節約はわずかだが、標準時に戻すと米東海岸の金融市場が大きく先行(夏季限定)することになり、メキシコの金融市場を混乱させる可能性があるという。

また、犯罪に敏感なメキシコ人は日没後は外出を控える傾向が強いため、これまで遅くまで営業することに慣れていたレストランなどが早めに閉店せざるを得なくなるかもしれない。

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