◎世界で最も厳しい反タバコ法が施行された。
メキシコ、首都メキシコシティ、タバコを吸う男性(ロイター通信)

メキシコで14日、公共の場での喫煙を全面的に禁止する法律が施行された。

連邦議会はこの法律を2021年に可決。世界で最も厳しい反タバコ法と呼ばれ、多くの健康専門家から称賛された。

一部の中南米諸国も公共の場での喫煙を禁じる法律(州法含む)を施行している。

しかし、メキシコの法律はアメリカ大陸で最も厳しく、その影響は広範囲に及ぶと予想されている。

メキシコ政府が2008年に公布した法律はバー、レストラン、職場に禁煙スペースを設けるよう義務付けている。

今回施行した法律により、全ての公共スペースでタバコを吸うことができなくなる。また、公共スペースに喫煙所を設置することもできない。対象は公道、公園、ビーチ、ホテル、オフィスなど、多岐にわたる。

さらにタバコ製品の広告、宣伝、スポンサー契約も全面的に禁止され、タバコを販売する店ですら、タバコの箱を公の場に置くことができなくなる。

電子タバコやベイプも規制の対象に含まれる。

世界保健機関(WHO)の米州事務局である汎米保健機構(PAHO)はこの法律とメキシコ政府を称賛している。

PAHOによると、アメリカ大陸では毎年推定100万人が喫煙や受動喫煙が関連する疾患で死亡しているという。

メキシコの喫煙者は法律に落胆を表明した。喫煙者は自宅やその他の個人的なスペースでしか喫煙できなくなり、違反した者は罰金刑を科されることになる。

一部のアナリストは全面禁止の現実性に疑問を投げかけている。

地元メディアも同様の見解を示しており、ある専門家は「警察が違反者の罰金刑を見逃す代わりに賄賂を受け取るのではないか」と懸念している。

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