◎メキシコ政府は昨年、リチウム採掘・生産を国営企業に限定した。
メキシコのリチウム鉱床と精製所(Getty Images)

メキシコ政府は12日、同国内でリチウム採掘を行っている企業と協議を進めていると明らかにした。

オブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は記者会見で、「採掘を行っている企業に計画を断念するよう求めている」と語ったが、協議の内容や補償の有無には言及しなかった。

しかしオブラドール氏は、「リチウム採掘が許可されようがされまいが、メキシコのリチウムを独自に国外に輸出したり、生産することは許可されない」と明言した。

メキシコ政府は昨年、リチウム採掘・生産を国営企業に限定した。

リチウムは自動車、スマートフォン、コンピューターなどの電子機器類に使われる非常に価値の高い鉱物であり、「ホワイトゴールド」と呼ばれている。

オブラドール氏は会見の中で、「これまでに1、2社が採掘プロジェクトを開始した」と説明した。

またオブラドール氏は「すべての企業に昨年の新しい枠組みを受け入れるよう求めている」と述べ、この問題が裁判沙汰になる可能性を認めた。「弁護士が問題を整理していますが、権利はメキシコにあります。企業が裁判を起こせば、政府は国の財産を守るために行動します!」

メキシコ政府は外国企業のリチウム採掘を認めているが、自身で採掘を行った経験はない。

地元メディアによると、北部ソノラ州にある中国企業が運営する鉱床は生産開始まであと一歩のところに来ているようだ。

この鉱床は中国の大手リチウム企業が所有し、2023年の生産開始が期待されていた。

しかし、オブラドール氏は昨年末、この中国企業がリチウム生産を開始するという噂を否定した。

政府は一時期、「すでに許可を出しているリチウム採掘権は法的な問題がない限り尊重される」と述べていた。

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