メキシコ、元州検事総長に異例の反逆罪で公判命令、米CIAとの麻薬捜査が外交問題に

モレノ氏は10月17日に逮捕された。当初は公務の不法行使など州法上の容疑で起訴され、その後、連邦当局が反逆罪で追起訴した。
メキシコ、北部チワワ州の刑務所(Getty Images/AFP通信)

メキシコの連邦裁判所は25日、北部チワワ州の元検事総長であるモレノ(César Jáuregui Moreno)氏について、反逆罪で刑事裁判にかけることを認めた。米中央情報局(CIA)の要員と連携し、連邦政府に知らせずに麻薬製造施設の摘発作戦を実施した疑いが持たれている。メキシコで反逆罪が適用されるのは極めて異例で、米国との麻薬対策協力や国家主権をめぐる議論が再燃している。

問題の作戦は2026年4月、チワワ州の山間部で行われた。麻薬製造施設の摘発後、帰還中の車両が事故を起こし、CIA要員とされる米国人2人と、州当局の職員2人が死亡した。事故をきっかけに、米国人要員がメキシコ側の作戦にどのような立場で参加していたのか、連邦政府がその活動を把握していたのかが問題となった。

シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は米国人要員の参加について、連邦政府は承認していなかったと説明し、外国機関が国内で活動する際にはメキシコの法律と主権を尊重すべきとの立場を示している。連邦検察はモレノ氏が連邦政府への報告を怠り、連邦当局の権限に属する活動に外国人要員を参加させたと主張している。

モレノ氏は10月17日に逮捕された。当初は公務の不法行使など州法上の容疑で起訴され、その後、連邦当局が反逆罪で追起訴した。弁護側は、連邦政府への報告が不十分だったとしても、それだけで反逆罪が成立するわけではないと反論している。

メキシコでは、外国機関による国内活動を連邦政府の管理下に置くため、法的な制限が設けられてきた。一方、麻薬カルテル対策では米国との情報共有や共同作業が重要な役割を果たしている。今回の事件は、州政府が独自に外国機関と協力できる範囲をどこまで認めるかという問題を突きつけた。

反逆罪はメキシコで長年適用されず、有罪となれば重い刑罰が科される可能性がある。今回の裁判は法的責任だけでなく、メキシコの国家主権と米国との治安協力のあり方にも影響を及ぼす可能性がある。

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