メキシコ、学年度末の繰り上げ撤回、保護者や教育機関からの批判受け
発端となったのは、同省のデルガド(Mario Martín Delgado Carrillo)長官が今月初めに示した案だった。
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FIFAワールドカップの開催を控えるメキシコで、政府が検討していた「学校暦の前倒し終了案」が大きな反発を受け、撤回された。教育省は12日、2025〜26年度の期末を変更せず、予定通り2026年7月15日に学年を終える方針を正式に決定した。
発端となったのは、同省のデルガド(Mario Martín Delgado Carrillo)長官が今月初めに示した案だった。メキシコはW杯を米カナダと共同開催する予定で、首都メキシコシティやモンテレイ、グアダラハラなどで試合が行われる。政府は大会期間中の交通混雑や猛暑への対応を理由に、通常7月中旬まで続く学校暦を6月5日に前倒しして終了することを検討していた。
しかし、この案が公表されると、保護者や教育関係者から批判が噴出した。授業日数が約40日減少することで学習機会が失われるとの懸念が広がり、「スポーツイベントを理由に教育を犠牲にすべきではない」との声が相次いだ。特に、公立学校に通う多数の児童・生徒への影響が大きいと指摘され、市民団体や教育政策研究者らは、すでに学力格差が問題となっている中でさらなる教育水準の低下を招く恐れがあると警鐘を鳴らした。
また、長期休暇が拡大すれば、共働き世帯では子どもの預け先確保や追加の保育費負担が必要になるとの不安も広がった。経済団体からも「拙速な決定だ」との批判が出ており、家庭生活や労働環境への影響を懸念する声が強まっていた。
こうした反発を受け、シェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は先週、「まだ正式決定ではない」と火消しに追われ、子どもたちが学習機会を失わないことが重要だとの認識を示していた。最終的に教育当局と各州の代表者による協議が行われ、現行の185日間の学校暦を維持することで一致した。
メキシコは1970年大会、1986年大会に続き、史上初めて3度目のW杯開催国となる。政府は大会成功に向けた準備を進めているが、今回の騒動は国際的スポーツイベントと市民生活の両立の難しさを浮き彫りにした形だ。教育現場では、政府が今後どのように猛暑対策や大会期間中の混乱回避を進めるのかに関心が集まっている。
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