米デンバー航空機事故、接触した歩行者は自殺、当局が断定
事故は8日の午後11時19分、デンバー国際空港の滑走路上で発生した。
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米コロラド州のデンバー国際空港で、離陸準備中の旅客機が滑走路上の男性と衝突した死亡事故について、地元当局は12日、この男性が自殺目的で空港敷地内に侵入したと発表した。死亡したのは41歳のマイケル・モット(Michael Mott)氏で、当局は死因を「複数の外傷」とし、自殺と断定した。
事故は8日の午後11時19分、デンバー国際空港の滑走路上で発生した。ロサンゼルスへ向かう格安航空会社フロンティア航空4345便のエアバスA321型機が離陸滑走中、男性と接触した。衝突後、機体のエンジンから出火し、機内に煙が充満したため、乗客らは緊急脱出用スライドを使って避難した。同機には乗客224人と乗員7人が搭乗し、12人が軽傷を負い、うち5人が病院へ搬送された。
当局によると、モット氏は空港外周のフェンスを乗り越え、制限区域へ侵入した。監視映像では、男性が滑走路方向へ歩いて向かう様子が確認されている。空港関係者は、男性がフェンスを越えてから航空機と衝突するまで約2分しかなかったとしている。
デンバーの主任検視官は記者会見で、「遺書は見つかっていないが、検視結果などを総合的に判断し、自殺と結論づけた」と説明した。一方で、詳しい経緯については明らかにしていない。
事故を受け、空港の警備体制にも注目が集まっている。デンバー国際空港は広大な敷地を持ち、外周フェンスは総延長約58キロメートルに及ぶ。専門家は「空港フェンスは侵入を完全に防ぐものではなく、侵入者を遅らせるための抑止策に過ぎない」と指摘している。
また、事故当時には野生動物を検知する警報が作動していたとの情報もあり、警備担当者が侵入者の存在を即座に把握できなかった可能性も浮上している。連邦航空局(FAA)と国家運輸安全委員会(NTSB)が空港の安全管理体制や緊急避難手順について調査を進めている。
乗客の一部からは、機内に煙が広がる中で避難開始まで時間がかかったとの証言も出ており、緊急対応の適切性を検証する必要性も指摘されている。今回の事故は航空機運航の安全対策だけでなく、空港施設への侵入防止や危機管理体制の在り方にも課題を投げかける形となった。
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