メキシコ、学期末を40日間短縮する計画に暗雲、大統領が態度保留
問題となっているのは、教育省が前日に公表した2025―26年度の新たな学校日程案だ。
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メキシコのシェインバウム(Claudia Sheinbaum)大統領は8日、FIFAワールドカップ開催に合わせ、公立学校の学期末を約40日早めるとした政府案について、「まだ最終決定ではない」と述べ、方針を修正する可能性を示唆した。政府は当初、猛暑対策とW杯開催時の混雑緩和を学期の短縮を発表していたが、保護者団体や教員組合などから強い反発が起きていた。
問題となっているのは、教育省が前日に公表した2025―26年度の新たな学校日程案だ。通常であれば7月15日に終了する学年度を、6月5日に前倒しして終える内容で、授業日数が約40日短縮される。新学期は8月31日に始まる予定で、前年より1日早い。同省のデルガド(Mario Martín Delgado Carrillo)長官は記録的な高温に加え、W杯開催に伴う交通混雑や治安対応への配慮が必要だとして、「教育課程は維持される」と説明していた。
W杯は米国、カナダ、メキシコの3カ国共催で行われ、メキシコでは首都メキシコシティ、モンテレイ、グアダラハラの3都市で計13試合が開催される予定だ。大会は6月11日に開幕し、メキシコが開幕戦を務める。大会期間中は数百万人規模の観光客流入が見込まれており、政府は学校閉鎖によって交通や公共サービスへの負担を軽減したい考えだった。
しかし、この案に対して国内では批判が噴出した。全国保護者連合は声明で、「W杯を理由に授業を短縮することは容認できない」と指摘。「大会は国内2500自治体のうちわずか3都市で行われるにすぎず、子どもの教育を犠牲にするべきではない」と反発した。また、メキシコでは毎年高温が問題となっているため、「猛暑は今に始まった話ではない」と政府説明に疑問を呈した。なお、子どもたちは政府の案を支持しているようだ。
教員組合の動きも政府に圧力をかけている。国内最大級の教員組合は賃上げや年金制度改革を求めており、W杯開幕戦当日のストライキも辞さない構えを示している。教育政策と大型国際イベントへの対応が絡み合い、政権にとって新たな政治課題となっている。
こうした反発を受け、シェインバウム氏は8日の定例会見で「サッカーに対する国民の情熱は理解しているが、教育も重要だ」と発言し、政府内で再検討する考えを示した。現時点で計画が正式撤回されるかは不透明だが、政府は世論や教育関係者との調整を迫られている。W杯を国家的イベントとして成功させたい政権と、教育機会の確保を求める市民側との間で議論が続きそうだ。
