全米のガソリン価格急騰、物価高に苦しむ国民の不満噴出
米国内では「海外での戦争より国内経済を優先すべきだ」という声が強まっている。
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米国とイランの戦争が長期化する中、全米でガソリン価格の高騰が家計を直撃し、市民生活に深刻な影響を与えている。中東情勢の緊迫化によって原油供給への懸念が強まり、全米平均のガソリン価格はここ数カ月で急上昇した。地域によっては1ガロン=7ドルを超えるケースもあり、物価高に苦しむ国民の不満が高まっている。
ABCニュースとワシントン・ポスト、調査会社イプソスが実施した世論調査では、回答者の6割が「イランとの戦争は誤りだった」と回答した。さらに、多くの人々が「軍事行動によって米国はより危険になった」と感じており、経済面だけでなく安全保障面でも不安が広がっている。
特に打撃を受けているのは日常的に車を利用する中低所得層だ。米国では公共交通機関が十分に整備されていない地域も多く、通勤や買い物、子どもの送迎など生活のあらゆる場面で自動車が欠かせない。そのため、燃料費の上昇は家計を直撃する。調査では、多くの家庭が外出回数を減らし、旅行計画を変更し、食費や娯楽費を削るなど節約を余儀なくされていることが明らかになった。
西部カリフォルニア州では物流コストの上昇によって食品価格も値上がりし、市民からは「戦争の代償を一般市民が払っている」との不満が噴出している。トラック運転手や配送業者も燃料費の増加に苦しみ、小規模事業者の経営を圧迫している。航空運賃も上昇し、夏休みシーズンを前に旅行を断念する家族も少なくない。
一方、トランプ政権は「イランの核開発阻止と中東の安定化のために必要な戦いだ」と主張している。しかし、世論は厳しさを増している。CNNなどの世論調査では、多数の有権者が政権のイラン政策を支持しておらず、共和党支持層の一部からも「戦争が長引きすぎている」との声が上がる。
さらに、ホルムズ海峡周辺の緊張が続いていることも市場を不安定にしている。同海峡は世界有数の石油輸送ルートであり、封鎖や攻撃への懸念が原油価格を押し上げる要因となっている。国際エネルギー機関(IEA)は過去最大規模の備蓄石油放出を決定したが、市場の不安解消には至っていない。
こうした中、米国内では「海外での戦争より国内経済を優先すべきだ」という声が強まっている。インフレと高金利に苦しむ国民にとって、ガソリン価格の高騰は単なる経済問題ではなく、日常生活そのものを脅かす問題となっている。戦争開始当初は限定的だった支持も、生活負担の増大とともに急速にしぼみつつあり、イラン情勢は2026年の米政治を左右する大きな争点となりそうだ。
