リビア・ザウィヤ製油所、武装勢力間の衝突激化で操業停止
ザウィヤ製油所は首都トリポリの西方約40キロに位置し、日量12万バレルの処理能力を持つリビア最大の石油精製施設だ。
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アフリカ北部・リビアの西部ザウィヤで発生した武装勢力間の衝突を受け、同国最大の製油所であるザウィヤ製油所が操業停止に追い込まれた。施設周辺では激しい砲撃が続き、操業会社は非常事態を宣言。原油輸出への影響が懸念される中、政情不安が続くリビアのエネルギー供給体制の脆弱さが浮き彫りとなった。
ザウィヤ製油所は首都トリポリの西方約40キロに位置し、日量12万バレルの処理能力を持つリビア最大の石油精製施設だ。同施設は国内最大の油田であるシャララ油田とも接続され、首都圏への燃料供給を支える重要インフラとなっている。操業会社のアザウィア石油精製会社によると、戦闘による砲弾が施設内部の複数箇所に着弾したため、全面的な操業停止と港湾からのタンカー退避を決定した。
現地では、トリポリの西部政府系治安部隊が犯罪組織や武装勢力の拠点を摘発する大規模作戦を開始したことで衝突が激化したとされる。住民によると、市内各地で爆発音が響き、住宅地周辺でも銃撃戦が発生した。SNS上には炎上する施設や武装車両の映像も投稿されているが、被害の全容は明らかになっていない。
国営石油公社(NOC)は8日、現時点で重大な設備損傷は確認されていないとしたが、情勢次第では長期停止に発展する可能性もある。特にザウィヤ製油所は首都圏向け燃料供給の中核を担っているため、操業停止が長引けばガソリンや軽油不足につながる恐れがある。現段階ではトリポリなど周辺地域への供給に大きな支障は出ていないものの、市場では警戒感が広がっている。
リビアでは2011年のカダフィ政権崩壊以降、東西勢力の対立や武装勢力間の抗争が続いている。石油施設はしばしば政治的圧力や軍事衝突の舞台となっており、生産停止や輸出障害が繰り返されてきた。ザウィヤも過去の内戦で激戦地となった。
今回の事態は中東情勢の悪化によって原油市場が不安定化している時期と重なっている。イラン情勢やホルムズ海峡を巡る緊張によって原油価格が上昇基調にある中、リビアの供給不安が加われば市場への影響がさらに拡大する可能性がある。エネルギー市場関係者の間では、「地政学リスクが複数地域で同時進行している」との懸念が強まっている。
