◎国家安全保障局のロシオ・アギラール報道官は記者団に対し、「遺体は中央北部サカテカス州のバルパライソで見つかった」と語った。
2018年/メキシコ、首都メキシコシティ、メキシコ警察の特殊部隊(Getty Images/AFP通信)

6月25日、メキシコ当局は北部地域で麻薬カルテル間の抗争と思われる銃撃戦が発生し、少なくとも18人の遺体を確認したと述べた。

国家安全保障局のロシオ・アギラール報道官は記者団に対し、「遺体は中央北部サカテカス州のバルパライソで見つかった」と語った。「遺体は全て男性。シナロア・カルテル(CDS)とハリスコ新世代カルテル(CJNG)の抗争を示唆する証拠も発見されました」

CDSは1980年代後半に設立されメキシコ最大の犯罪組織で、麻薬密売、マネーロンダリング、武器密売、殺人、誘拐、拷問などを生業としている。構成員は推定30,000人。

CJNGは2009年に誕生した比較的新しい麻薬カルテルだが、メキシコの№2と目されており、CDSや他の武装組織と激しく対立している。生業は麻薬密売、武器密売、人身売買、密輸、殺人、ゆすり、恐喝、誘拐、拷問、石油窃盗、売春、マネーロンダリングなど。構成員は6,000人以上と伝えられている。

サカテカス州政府は25日、現場でカルテルのものと思われる車両を3台発見したと述べた。そのうち1台は黒焦げになっていたという。

サカテカス州はメキシコで最も危険な麻薬カルテルと呼ばれていたロス・セタスの支配下に置かれていたが、現在は他のカルテルおよび複数の武装勢力によって争われている。同州の支配権を争っている主要カルテルはシナロア、ハリスコ、ガルフ、そして自分たちをタリバンと呼ぶロス・セタスの残党と伝えられている。

現地メディアによると、銃撃戦の2日前にサカテカス州で橋に吊るされた警察官2人の遺体および、そのすぐ近くで一般市民と思われる7人の射殺体が発見されたという。

処刑された警察官は、隣のサンルイスポトシ州で行方不明になった警察官だった。

一般人と思われる男性4人と女性3人の射殺体は近くのフレスニージョ市で確認されたが、麻薬カルテルが関与しているかどうかは明らかにされていない。現地メディアによると、警察は事件に巻き込まれたとされる負傷者2人と、無傷の子供を5人保護したという。

麻薬カルテルはライバルや警察当局への脅迫として、遺体を高速道路の高架や橋に何度も吊るしてきたが、警察官が吊るされることは滅多にない。

メキシコ政府は麻薬カルテルとの戦争を続けており、2006年に国軍を投入した。一連の戦争の正確な死者数は分かっていないが、シナロアを含むカルテルは少なくとも35万人の構成員を失ったと考えられている。

アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は2018年に麻薬戦争の終結を宣言したが、殺人率は高水準を維持し、カルテルは各地で活発に活動している。

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