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ジャマイカの「奴隷制賠償」請求、英枢密院司法委員会へ、国王が審理手続きを付託

今回の請願は、ジャマイカが英国に金銭の支払いを直接求める訴訟というより、奴隷制をめぐる3つの法的問題について司法的な見解を求めるものだ。
ジャマイカ、首都キングストン(Getty Images)

ジャマイカ政府は月23日、英国による大西洋奴隷貿易と植民地支配をめぐる賠償問題について、英連邦の一部国家などで最終審を担う枢密院司法委員会(JCPC)に法的問題が付託されたと発表した。ジャマイカのグレンジ(Olivia Grange)文化相は議会で、チャールズ国王(King Charles III)が9月7日に提出された請願を同委員会に付託したと明らかにし、「歴史的で前例のない進展」と評価した。

今回の請願は、ジャマイカが英国に金銭の支払いを直接求める訴訟というより、奴隷制をめぐる3つの法的問題について司法的な見解を求めるものだ。具体的には、アフリカ人を強制的にジャマイカへ移送し奴隷化した行為が当時の英国法上合法だったのか、国際法に違反する行為だったのか、さらに英国に対して被害への救済措置を講じる法的義務があるのかが問われている。

この手続きが可能になった背景には、ジャマイカが現在もチャールズ国王を国家元首とする英連邦王国であることがある。ジャマイカ政府は1833年の司法委員会法に基づく制度を利用し、国王に対して法的・憲法的問題をJCPCへ付託するよう求めた。国王自身が賠償の是非を判断するわけではなく、法的な問題はロンドンの司法委員会で扱われる。

ジャマイカは長年、英国や欧州諸国に対して奴隷貿易と奴隷制による被害への謝罪や賠償を求めてきた。カリブ共同体(CARICOM)でも賠償問題への対応を協議しており、他の英連邦諸国にも今回の法的手続きを活用する考えを示している。

一方、英国政府は奴隷制を「忌まわしいもの」と認めながらも、これまで謝罪や賠償金の支払いを拒否している。JCPCの見解が出たとしても、それだけで英国政府に賠償を義務付けるものではない。

今回の付託によって、奴隷制をめぐる歴史的責任が政治的議論だけでなく、英国の司法制度の最終段階に近い場で法的に検討されることになった点が大きな意味を持つ。

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