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ジャマイカ、英奴隷貿易の賠償を要求、チャールズ国王に法的判断求める

今回の請願は、1781年に英国船「ゾング号」が西アフリカからジャマイカへ向かった日に合わせて提出された。
イギリスのチャールズ国王(ロイター通信)

ジャマイカ政府は7日、英国が大西洋奴隷貿易と奴隷制に関与したことによる損害について、賠償を求める取り組みを英王室に直接提起した。ジャマイカ政府はチャールズ国王(King Charles III)に対し、奴隷貿易の法的責任や英国が損害賠償を負う可能性について、枢密院司法委員会に判断を付託するよう正式に請願した。同委員会は、英国の法制度とのつながりを残す旧植民地にとって最高裁に相当する機関である。

今回の請願は、1781年に英国船「ゾング号」が西アフリカからジャマイカへ向かった日に合わせて提出された。当時、船内の水が不足したことを理由に、乗組員が奴隷として運ばれていた132人を海中に投げ捨てる事件が起きた。奴隷を「財産」とみなし、死亡者について保険金を請求する方が経済的だと判断されたためで、この事件は英国社会に奴隷制の実態を広く知らしめ、奴隷制廃止運動を後押しする契機となった。

英国は1807年に奴隷貿易を禁止したものの、奴隷制そのものが廃止されたのは1834年だった。その間、英国の植民地では多数のアフリカ人が強制的に働かされ、ジャマイカもその中心地の一つとなった。ジャマイカ政府はこうした歴史的被害だけでなく、奴隷制が子孫や社会に残した長期的な影響についても責任を問う必要があるとしている。

ただし、今回の請願がそのまま賠償につながるわけではない。チャールズ国王自身には、司法委員会への付託を決定する権限はなく、英国政府の助言に基づいて行動する立場にある。英国政府はこれまで、奴隷制の歴史について遺憾の意を示す一方、謝罪や賠償の支払いには応じていない。チャールズ国王も奴隷制の歴史について深い悲しみを表明しているが、賠償を支持する立場は明確にしていない。

ジャマイカはカリブ共同体(CARICOM)と連携し、英国を含む欧州諸国に奴隷貿易への責任を認めるよう求めてきた。今回の法的措置は、歴史問題を政治的な議論だけでなく司法の場に持ち込むことで、英国に責任を問う圧力を強める狙いがある。

さらに、ジャマイカでは英国王室との関係を見直し、共和制への移行を目指す議論も続いており、奴隷制をめぐる賠償問題は両国の歴史的関係そのものを問い直す動きにつながる可能性がある。

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