ハイチ首相、エルサルバドル軍の展開を擁護、指揮系統や法的根拠に懸念も
エルサルバドルは、行方不明となった自国の航空技術者4人の捜索とギャング対策を支援するため、2000人を超える兵士をハイチに派遣した。
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中米ハイチのフィスエイム(Alix Didier Fils-Aimé)首相は3日、治安回復を目的に同国へ派遣されたエルサルバドル軍について、ハイチ国家を支援するものであり、国家の役割を代替するものではないとの立場を示した。ギャングによる暴力が深刻化する中、エルサルバドル軍の大規模展開をめぐって指揮系統や法的根拠への疑問が強まっている。
エルサルバドルは、行方不明となった自国の航空技術者4人の捜索とギャング対策を支援するため、2000人を超える兵士をハイチに派遣した。4人は10月18日、首都ポルトープランス近郊で武装集団に襲撃され、装甲車が攻撃を受けた後に消息を絶った。ブケレ(Nayib Bukele)大統領は救出作戦を掲げ、作戦費用の9割をエルサルバドルが負担すると説明している。
しかし、国連によると、派遣されたエルサルバドル軍の大部分は、国連安全保障理事会の承認を受けた「ギャング制圧部隊(GSF)」の指揮・活動枠組みには組み込まれていない。このため、作戦の指揮権、法的合意、交戦規則、活動期間などが不透明なままだ。国連はエルサルバドル軍の大半が国連の任務権限や報告制度の対象外にあるとして懸念を表明している。
ハイチではギャングが首都の広い範囲を支配し、今年に入って5000人以上が殺害または負傷した。フィスエイム氏は警察官の新規採用や警察・軍の増強を進め、治安回復と選挙実施を優先課題に掲げる。一方、ハイチ国家警察、GSF、民間警備会社と関係する部隊など複数の組織が共通の作戦計画を持たずに活動しているとの指摘もあり、責任の所在が曖昧になる危険がある。
外国軍の増派が治安改善につながるのか、それとも住民を巻き込む衝突の拡大を招くのか。ハイチ政府には、国家主権を維持しながら各部隊の指揮・監督体制を明確にすることが求められている。
