オーストラリア政府、16歳未満のSNS利用禁止は「限定的な規制」と主張、最高裁で違憲訴訟、レディットなどが反発

今回の訴訟は子どものオンライン保護と表現の自由をどう両立させるかを問うもので、同様の規制を検討する各国にも影響する可能性がある。
2025年11月22日/オーストラリア、シドニー市内、スマートフォンを操作する少女(ロイター通信)

オーストラリア政府は4日、16歳未満のSNSアカウント保有を禁止する法律について、政治的表現の自由に対する制約は「限定的」であり、子どもの保護を目的とした正当な措置だと最高裁判所で主張した。これに対し、米オンライン掲示板大手レディットと自由至上主義を掲げる団体は、憲法上保障される政治的表現の自由を侵害するとして、法律の無効を求めている。

この法律は2025年12月に施行され、フェイスブック、インスタグラム、TikTok、ユーチューブ、X(旧ツイッター)、レディットなど10の主要プラットフォームを対象とする。事業者には16歳未満の利用者がアカウントを保有できないよう合理的な措置を講じる義務があり、組織的な違反が認められた場合、最大9900万豪ドル(約109億円)の罰金が科される。一方、子ども本人や保護者が処罰されることはない。

政府側の弁護士は判事に対し、規制は特定の政治的見解を対象とするものではなく、子どもがオンラインで情報を発信・受信する能力を段階的に制限するにすぎないと説明した。また、アカウントを持たなくても一部のコンテンツは閲覧できると指摘し、子どもの健康や安全を守る利益が規制による負担を上回ると主張した。

一方、原告側は、若者が政治的議論に参加し、情報を共有する機会を不当に奪っていると反論する。年齢確認技術を回避する子どもも多く、禁止措置の実効性にも疑問があるとしている。

実際、政府関連の調査では、規制対象となる年齢層の多くが依然としてSNSを利用していることが判明している。政府は事業者への法執行強化も検討している。

今回の訴訟は子どものオンライン保護と表現の自由をどう両立させるかを問うもので、同様の規制を検討する各国にも影響する可能性がある。最高裁の判断は後日示される見通しだ。

あなたへのおすすめ