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ハイチ暫定選挙評議会、外国の制裁対象者をめぐる立候補制限を撤廃、選挙の公正性に懸念

国連安保理の制裁対象者は立候補できず、対象となっているハイチ人9人の大半はギャングの指導者だ。このほか、武装ギャングに武器を供給した疑いが長年持たれている元議員も含まれる。
2022年5月2日/ハイチ、首都ポルトープランスの通り(Ralph Tedy Erol/ロイター通信)

中米ハイチの暫定選挙評議会は8日、選挙候補者に対し、外国政府による資産凍結などの制裁を受けていないことを証明する書類の提出を求める規則を撤廃した。12月の総選挙に向けた措置だが、政治家の説明責任を弱め、問題を抱える候補者の立候補を容易にするとの批判が出ている。一方、国連安全保障理事会の制裁対象者については、引き続き立候補を認めない。

これまで候補者は、ハイチ共和国銀行から、資産凍結の対象ではなく、立候補資格を有することを示す証明書を取得する必要があった。今回の変更により、この書類は提出不要となる。ただし、犯罪歴などに関する書類を含め、その他の必要書類の提出義務は残る。

米国、カナダ、欧州連合(EU)の制裁対象となっている著名な政治家にはマルテリー(Michel Joseph Martelly)元大統領やラトルチュ(Youri Latortue)元上院議長がいる。両氏は総選挙への出馬を公表していない。

国連安保理の制裁対象者は立候補できず、対象となっているハイチ人9人の大半はギャングの指導者だ。このほか、武装ギャングに武器を供給した疑いが長年持たれている元議員も含まれる。

今回の変更について、専門家は違法行為との関連が指摘される人物を排除する取り組みが見られないと批判した。また、暫定的な統治機関が政治エリートの利益を優先しているとの見方も示している。ポール(Evans Paul)元首相も、規則が頻繁に変更されることで法的な不安定さが増し、選挙プロセスへの信頼が損なわれていると指摘した。

ハイチでは、政治家や経済関係者とギャングの結び付きが治安悪化の一因となっている。今週公表された国連の報告書も、選挙を前に暴力が増加する危険性を警告した。人口約1200万人の同国では、武装ギャングによる支配地域の拡大が選挙準備を妨げている。

暫定選挙評議会は候補者登録の期限を10月31日まで延長した。総選挙は12月13日に予定されているものの、不透明さが残る。これまでに有権者登録を済ませた人は78万4000人を超えたが、人口規模に比べて登録数は限定的だ。選挙実施に向け、治安の改善と政治制度への信頼回復が大きな課題となっている。

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