コスタリカ、環太平洋協定への参加申請を撤回、貿易相を解任、農業保護を優先
フェルナンデス氏はSNSに投稿した動画で、協定は有望な市場機会に見えるものの、交渉担当者が全文を秘密扱いとしたため、内容をほとんどの関係者が把握できていないと批判した。
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中米コスタリカのフェルナンデス(Laura Fernández Delgado)大統領は28日、環太平洋地域の自由貿易協定CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)への参加申請を撤回し、トレホス(Indiana Trejos Gallo)貿易相を解任したと発表した。協定の内容が十分に開示されず、交渉の透明性に問題があったことが理由だ。農業分野を中心に国内生産者から反対の声が上がっており、政府は国内産業への影響を重視する姿勢を示した。
フェルナンデス氏はSNSに投稿した動画で、協定は有望な市場機会に見えるものの、交渉担当者が全文を秘密扱いとしたため、内容をほとんどの関係者が把握できていないと批判した。また、貿易相に対して関係業界へ協定の全文を共有するよう指示したにもかかわらず、十分に実行されなかったと説明した。トレホス氏の後任は発表されていない。
コスタリカは2022年にCPTPPへの参加を申請し、加盟国との合意形成に向けて100回を超える高官級協議を重ねた。2024年11月には加盟国側から正式に参加交渉への招請を受け、その後、国内規制と協定の整合性を検証し、物品やサービスの市場アクセスをめぐる交渉を進めていた。今回の撤回により、数年にわたる加盟準備は事実上中断されることになる。
CPTPPは米国が離脱したTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を引き継ぐ形で2018年に発効した。現在は南北アメリカ、アジア、オセアニア、欧州の12カ国が参加し、世界の国内総生産(GDP)の約15%を占める。関税の引き下げや貿易ルールの共通化を通じ、加盟国間の経済連携を強化する枠組みだ。
一方、コスタリカ国内では、農業生産者らが輸入品との競争激化を懸念していた。政府は今後、国内市場向けの農家や畜産業者を支援し、政府機関による国産品の調達拡大や流通改善、不正輸入対策などを進める方針だ。
自由貿易による輸出拡大と国内生産者の保護をどう両立させるかが、今後の経済政策の課題となる。
