◎ジンバブエ経済が崩壊した過去20年間で数百万人のジンバブエ人が国を離れたと推定されている。
2023年12月24日/ジンバブエ、首都ハラレのパスポートセンター前(Getty-Images)

ジンバブエ・首都ハラレのパスポートセンターに市民が殺到し、長蛇の列ができている。現地メディアが24日に報じた。

それによると、1月1日からパスポートの取得費用が引き上げられるため、イギリスへの出国を希望する人々が殺到したという。

外務省のパスポートセンター前に集まった人々は地元メディアの取材に対し、「パスポートが手に入らなくなるのではないか」「私も移民になるかもしれない」などと語った。

AP通信の取材に応じた女性は、「午前5時に到着したが、すでに100人以上がならんでいた」と語った。

パスポートの取得費用は120ドルから150ドルに引き上げられる。中央政府は200ドルに引き上げると提案したが、非難が殺到し、150ドルに下方修正した。

ジンバブエ経済が崩壊した過去20年間で数百万人のジンバブエ人が国を離れたと推定されている。2017年の故ムガベ(Robert Mugabe)前大統領の失脚後、より良い生活への希望は薄れた。

教師などの専門職を含む多くの人々が短期の看護師コースを受講し、イギリスで医療関係の仕事に就きたいと考えている。

英移民局が11月に公表したデータによると、昨年9月から今年9月までに医療・介護分野で働くためのビザを取得したジンバブエ人は2万1130人。前年の7846人から大きく増加した。

現職のムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領はインフレ、貧困、慢性的な停電など、多くの問題に悩まされ、支持率を落としている。

ジンバブエ・ドルの信頼は2008年の歴史的なハイパーインフレでその価値が一掃されて以来、低迷し続けている。インフレ率は世界記録とされる50億%に達し、政府が発行した100兆ジンバブエ・ドル紙幣は伝説となった。

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