ザンビア大統領が2期目就任、選挙の混乱が民主主義に影
ヒチレマ氏は2021年、選挙不正や野党弾圧を批判し、民主的な政治への転換を掲げて政権を獲得した経緯があるだけに、今回の選挙をめぐる問題は政権の姿勢そのものを問うものとなっている。
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アフリカ南部・ザンビアで9月1日、ヒチレマ(Hakainde Hichilema)大統領がが2期目の就任宣誓を行った。しかし、その門出には、8月13日に行われた大統領選をめぐる深刻な混乱と民主主義への懸念が影を落としている。ヒチレマ氏は2021年、選挙不正や野党弾圧を批判し、民主的な政治への転換を掲げて政権を獲得した経緯があるだけに、今回の選挙をめぐる問題は政権の姿勢そのものを問うものとなっている。
今回の選挙では、開票作業の中断、得票の操作疑惑、投票所への軍部隊の配置、野党議員の逮捕などが相次いだ。さらに、ヒチレマ氏の対抗馬だったムンドゥビレ(Brian Mundubile)氏らが国家反逆罪で逮捕されたことも、選挙後の政治情勢を不安定化させている。国際・国内の選挙監視団体はヒチレマ氏の得票が水増しされた可能性を指摘したが、それでも同氏が勝利していた可能性が高いとの見方を示している。
特に問題視されているのが、野党側が選挙結果を司法に異議申し立てする期限を迎える直前、当局が裁判所へのアクセスを制限したことだ。政府は野党関係者の逮捕・拘束について、国家安全保障上の脅威との関連を主張しているが、具体的な証拠は示しておらず、野党側は容疑を否定している。こうした対応について、専門家からはザンビアの民主制度を後退させ、指導者が権力を固定化する前例になりかねないとの警告が出ている。
一方、経済面では市場の反応は軽微だ。ザンビアは銅の主要生産国であり、ヒチレマ政権は1期目に債務再編と経済回復を進めたことから、投資家は政策の継続性を評価している。米国と中国も鉱物資源をめぐる戦略的重要性からヒチレマ氏の再選を祝福し、就任式に代表を派遣した。
しかし、経済政策の安定と民主制度の健全性は別問題だ。短期的な投資家の信頼が維持されても、選挙の公正性や司法の独立性が損なわれれば、長期的には政治リスクとして跳ね返る可能性がある。
2期目の就任はヒチレマ氏にとって経済再建だけでなく、自らが掲げた民主主義の約束をどこまで守れるかが問われる局面となる。
