◎国連安全保障理事会の代表はマリの軍事政権を主導するアシミ・ゴイタ暫定大統領と会談した。
2021年10月24日/マリ共和国、首都バマコの政府庁舎、アシミ・ゴイタ暫定大統領(右)とケニアのマーティン・キマニ国連大使(Harandane Diko/AP通信)

10月24日、国連安全保障理事会の代表が西アフリカのマリ共和国を訪問し、軍事政権を主導するアシミ・ゴイタ暫定大統領と会談した。

ケニアのマーティン・キマニ国連大使はゴイタ暫定大統領、市民社会組織の代表、和平協定に署名した組織の代表らとの会談の中で、来年2月までに民主的な選挙を行うよう強く促した。

キマニ大使は会談後の記者会見で、「私たちはマリの国民が望んでいる改革への移行を強く支持している」と述べた。「来年の2月までに民主的な選挙が行われることを確信しています...」

しかし、マリ当局は会談後の声明で、「選挙の準備に関する新たな協議を12月に主催したい」と述べ、準備が進んでいないことを示唆した。

代表団のひとりであるニジェールのアブドゥ・アバリー国連大使はマリ当局の声明を歓迎したが、「2月の選挙は予定通りに行わなければならない」とけん制した。

アバリー大使によると、ゴイタ暫定大統領は代表団に、「暫定政府は権力を維持するつもりはなく、マリの国民と利益のために行動する」と述べたという。

ゴイタ大佐(当時)は昨年8月の軍事クーデターで一度権力を奪取したが、国際社会の非難を受け、民間のバ・ヌダウ氏とモクタール・ウアン氏に権力を移譲した。しかし、ゴイタ大佐は民主政権の発足から1年も経たぬうちに新たな軍事クーデターを主導し、ヌダウ氏とウアン氏を追放した。

現地メディアによると、フランスのニコラス・デ・リビエール国連大使はゴイタ暫定大統領に、サヘル地域で進行中のマリ北部紛争に関する問題を提起したという。国連は2013年以来、マリの平和維持ミッションに年間約12億ドル(約1,300億円)を費やしているが、サヘル地域で活動するイスラム国(ISIS)とアルカイダ系ジハード組織との戦闘が収束する見通しは全く立っていない。

デ・リビエール仏大使は声明の中で、「国連の平和維持ミッションは、テロの脅威に直面しているマリ当局を支援する準備ができている」と述べた。

フランス政府は6月、当時のゴイタ大佐と軍事クーデターを厳しく非難し、マリ軍との合同作戦を停止した。フランスは来年2月の選挙と文民政府への移行を要求しており、それを保証すれば合同作戦再開に向けた交渉に応じると述べている。

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