パキスタン・カシミール地方で抗議デモ続く、24人死亡、数百人拘束
抗議の発端となったのは7月27日に予定されている議会選挙を巡る制度変更である。
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パキスタン統治下のカシミール地方で大規模な抗議デモが続き、地域全体が事実上の封鎖状態に陥っている。6月上旬から続く治安部隊とデモ参加者の衝突では、これまでに少なくとも24人が死亡し、近年で最悪規模の社会不安となった。商店や公共交通機関は停止し、多くの住民が日常生活を送れない状況に置かれている。
抗議の発端となったのは7月27日に予定されている議会選挙を巡る制度変更である。当局はインド統治下カシミールからパキスタン側へ移住した難民向けに12議席を割り当てる方針を維持したが、これに対し地元住民の権利が損なわれるとして反発が広がった。抗議を主導したのは政治団体JAAC。同組織は住民の発言権拡大を求めてゼネストやデモ行進を呼び掛けてきた。
当局はJAACを禁止団体に指定し、活動家らの拘束を進めた。治安部隊はデモ隊の集結を阻止するため道路を封鎖し、インターネットを遮断したほか、一部地域では報道機関の取材活動も制限している。警察によると、これまでに500人以上が拘束され、警察官4人が死亡、97人が負傷した。一方、住民側は治安部隊による過剰な武力行使を非難している。
現在も数千人の支持者がアザド・カシミール州南部に集結しており、デモが収束する見通しは立っていない。州都ムザファラバードでは多くの店舗が閉鎖されたままで、銀行のATMもネット遮断の影響で利用できない状況が続く。燃料供給も制限され、ガソリンスタンドの営業停止が相次いでいる。日雇い労働者やタクシー運転手など低所得層への打撃は深刻で、収入源を失った住民からは生活苦を訴える声が上がっている。
今回の事態はパキスタン政府にとって政治的にも難しい問題となっている。中央政府はこれまで、インド統治下カシミールでの人権問題を国際社会でたびたび批判してきた。しかし現在、自らが統治する地域で大規模な抗議活動と弾圧批判に直面しており、対応のあり方が問われている。国際人権団体はネット遮断や大量拘束、武力行使に懸念を表明し、対話による解決を求めている。
カシミールはインドとパキスタンが領有権を争う係争地で、1947年の分離独立以来、両国関係の火種となってきた。今回の抗議は独立や領有権問題そのものではなく、地域住民の政治的権利や代表性を巡る争いが中心だが、長年の不満が噴出した結果ともみられる。選挙を目前に控え、政府と抗議勢力の対立が続けば、地域の不安定化がさらに深まる可能性がある。
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