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パキスタン・カシミールで抗議デモ激化、参加者と警察が衝突、死者も

当局はさらなる混乱を防ぐため、インターネット通信を一時遮断するとともに、追加の警察部隊や治安要員を投入した。
2026年6月9日/パキスタン、カシミール地方、抗議デモに備える警察官(ロイター通信)

パキスタン統治下のカシミール地方で9日、反政府団体が呼び掛けた大規模なゼネラルストライキが実施され、各地で商店や公共交通機関が停止した。州都ムザファラバードをはじめ、主要都市で混乱が広がり、一部地域では抗議者と治安部隊が衝突するなど緊張が高まった。

今回の抗議デモは当局によって最近非合法化された政治団体JAACが主導したものだ。同団体は来月予定される州議会選挙を前に、パキスタン国内に居住するカシミール難民向けに確保された12議席の存続に反対している。JAAC側はこの議席が地域住民の政治的意思をゆがめ、外部勢力の影響力を強めていると主張している。

抗議デモは数日前から続いていたが、8日夜にはアザド・カシミール州南部で大規模な衝突が発生した。警察と抗議者の間で暴力行為が広がり、少なくとも11人が死亡したと報じられている。この事態を受け、州当局はJAAC指導者らに対し、扇動罪などの容疑で刑事手続きを開始し、主要幹部4人の逮捕につながる情報に高額の懸賞金を設定した。

当局はさらなる混乱を防ぐため、インターネット通信を一時遮断するとともに、追加の警察部隊や治安要員を投入した。各地の検問所で警戒が強化され、数十人規模の拘束者も出ているという。一方、人権団体は当局の対応を批判している。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは過度な武力行使や大規模拘束、通信遮断に懸念を表明し、平和的な抗議デモの権利を尊重するよう求めた。

州政府は対話による解決に前向きな姿勢を示しているものの、難民向け議席は憲法上保護された制度であり、容易な見直しは困難との立場を崩していない。抗議側も要求の撤回には応じておらず、双方の溝は深い。

カシミール地方では近年、生活費高騰や自治権拡大などを巡る抗議デモが繰り返されてきた。今回の騒乱は選挙を目前に控えた政治的対立が背景にあり、長年続く統治や代表制を巡る不満が改めて表面化した形だ。地域情勢の不安定化が続くなか、今後の政府対応と対話の行方に注目が集まっている。

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