西サハラの国連平和維持活動が35年で終了、米ロ対立で任務更新できず

西サハラをめぐって対立するモロッコとアルジェリアは2021年に外交関係を断絶しており、国連の監視機能喪失が両国間の緊張をさらに高める可能性もある。
サハラ・アラブ民主共和国(西サハラ)の武装組織ポリサリオ戦線(Getty Images/AFP通信)

西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)で35年間続いてきた国連の平和維持活動が11月1日、任務の期限切れに伴い終了した。国連安全保障理事会で米国とロシアが対立し、任務を延長する決議案がいずれも成立しなかったためだ。活動終了により、モロッコと独立派勢力の対立が再び激化し、地域の不安定化につながる懸念が強まっている。

活動は1991年、モロッコと独立を求める武装組織「ポリサリオ戦線」の停戦合意を受けて設置された「国連西サハラ住民投票監視団(MINURSO)」が担ってきた。停戦監視に加え、西サハラの将来を住民投票で決めるための準備が任務だった。しかし、投票権を持つ住民の範囲をめぐって双方が対立し、住民投票は一度も実施されなかった。

10月30日の安保理では、米国がモロッコの主権下での自治案を交渉の基礎とする決議案を提出したが、ロシアが拒否権を行使した。その後、ロシアが提出した現行任務の1年間延長案も必要な賛成票を得られず否決された。結果として、任務は10月31日に期限を迎えた。

国連は11月1日から清算段階に入り、部隊派遣国への装備返還や国連所有機材の処分を進める。縮小されたチームが作業を管理する。

モロッコ王室は任務終了を歓迎した。一方、ポリサリオ戦線は「受け入れられない決定」と批判し、同勢力を支援するアルジェリアも米国案の偏りを非難した。西サハラでは2020年にポリサリオ戦線が停戦から離脱し、その後も低強度の衝突が続いている。

国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長は、地域の治安悪化と戦闘再燃への懸念を示し、関係者に最大限の自制を求めた。西サハラをめぐって対立するモロッコとアルジェリアは2021年に外交関係を断絶しており、国連の監視機能喪失が両国間の緊張をさらに高める可能性もある。

あなたへのおすすめ